田代が主将継続、クーリー負傷、カーク新加入… キングス、2連覇に向け不安と期待

 
主将として5シーズン目に入るキングス生え抜きの田代直希
主将として5シーズン目に入るキングス生え抜きの田代直希

 プロバスケットボールBリーグ1部の2023-24シーズンの開幕が10月5日に迫る中、2連覇を目指す琉球ゴールデンキングスに不安と期待の動きが出ている。

 11日にチームの大黒柱であるジャック・クーリーが全治未定の怪我を負ったことを発表し、ファンに衝撃が走った。一方で、同日にアルバルク東京(A東京)でBリーグ2連覇を経験した、クーリーと同じセンターのアレックス・カークとの契約をリリース。12日には田代直希が昨シーズンに続いて主将を務めることも発表した。田代の主将は5シーズン目に入る。

安永GM「非常に残念」クーリー全治未定

 クーリーは8月末にチームに合流して練習に励んでいたが、負傷して右膝蓋靭帯炎と診断された。全治未定のため、11日にはインジュアリーリストに登録された。昨シーズンは16.4得点、12.7リバウンドと二つの主要スタッツでチームトップの数字を残し、自身3度目のリバウンド王にも輝いた。

キングスのゴール下を支えるジャック・クーリー
キングスのゴール下を支えるジャック・クーリー

 中心選手であるクーリーの離脱を受け、キングスの安永淳一GMは「非常に残念な思いです」とコメント。その上で「なにより、ファンの皆さまの前でプレーすることを楽しみにしていたクーリー選手自身が一番悔しい気持ちだと思います。ゴール下で圧倒的な強さを誇るプレーをまたコート上で披露できるよう、球団一同、全力でサポートしてまいります」とした。

 クーリーの離脱に伴って契約したカークは、米国出身の31歳。身長211cm、体重114kg。米国のNBAやイタリア、中国、トルコのリーグを渡り歩き、2017年から6シーズン、A東京でプレーした。ゴール下で体を張れるほか、3Pも含めシュート範囲が広い。17-18、18-19シーズンにはA東京の2連覇に大きく貢献した。

 入団に当たり、カークは「日本の最高の球団に入団できること、そしてBリーグ連覇に向けて貢献できることにとても興奮しています。毎日ベストを尽くします」と気合十分。安永GMも「クーリー選手の負傷については非常に心配ではありますが、献身的なプレーが魅力のカーク選手がキングスの一員としてチームに加わってくれることは大変心強い限りです」と歓迎した。

田代「全員がリーダーシップを」

 引き続き主将を担うことになった田代は「一人一人が個性を大切にしながらも、それぞれがリーダーシップを持って行動、発言を続けていることがキングスの強さだと感じております。応援してくださっている皆さまの力は私たちキングスにとってかけがえのないものです。皆さまの力と、チームメイト・スタッフの力を借りて精進していきたいと思いますので、今シーズンも引き続き応援をよろしくお願いします」とコメントした。

 負傷から復帰して迎えた昨シーズンはレギュラーシーズン全60試合に出場したものの、層の厚いチームにあって平均出場時間は12分10秒となかなか伸びず、スタッツは2.4得点、1.0リバウンド、1.4アシストと低調に終わった。持ち味である激しいディフェンスも含め、コート上での存在感も取り戻したいところだ。

 キングスは今月16、17の両日、沖縄アリーナで群馬クレインサンダーズと、23、24の両日には同アリーナで台湾リーグの王者である富邦ブレーブスとプレシーズンマッチを行い、10月5日にSAGAアリーナで佐賀バルーナーズと2023-24シーズンの開幕戦を戦う。

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長嶺 真輝

投稿者記事一覧

ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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