サポーター“困惑”も… FC琉球が「エンブレム」など刷新へ クラブ創設20周年

 
FC琉球の新たなチーム名称とエンブレムを発表する琉球フットボールクラブの倉林啓士郎社長(右)=26日、那覇市内

 今シーズンで創設20周年を迎えるサッカーJ3のFC琉球が、クラブのさらなる発展に向けたリブランディングの一環で来シーズンからエンブレムなどを刷新することを決めた。沖縄を世界に発信することを目的に、チーム名も「FC琉球」から「FC琉球OKINAWA」に変更する。

 26日午後、チームを運営する琉球フットボールクラブが那覇市内でビジョン説明会「NEXT GAME CHANGE」を開き、倉林啓士郎社長がサポーターやスポンサーら向けに発表した。

対のシーサーで“勇猛な表情”を表現

新エンブレムのデザインなどについて説明する倉林社長

 リブランディングに当たり、クラブはブランドのコンセプトとして「Jリーグの、沖縄の、サッカークラブの、ゲームチェンジを実現する」ことを使命に掲げ、「沖縄を一つにするチームへ、J1昇格という奇跡を起こすために」を目標に据えた。世界で通用するブランドに成長していくため、スポーツに限らず金融や食、ファッション分野などでもビジネスを展開し「スポーツ&ライフエンターテイメントクラブ」を目指すとした。

 それを念頭に、今後の10年で多様化、グローバル化を進めていくために「新FC琉球」の象徴としてクラブの名称とエンブレムの変更を決定。エンブレムについては、現在の「勝利を呼び込み離さない対のシーサー」「琉球王国の誇りを示す王冠」「戦う11人の集団を意味する11本のライン」「クラブカラーのベンガラ×ゴールド」の要素を引き継ぎ、作成した。

 新たなエンブレムは、向かい合う2体のシーサーが正面から見た時に「勝利を求める勇猛な一つの表情」に見えるようにデザインされている。背景には11本のライン、外円には王冠やサッカーボールを配置した。ベンガラ色の赤みは従来より明るみを増した。クラブは今後、エンブレムにあるシーサーの顔部分をシンボルマークとし、グッズなどに活用していく。

 これらの変更に伴い、チーム名のロゴも字体や色味を変えて刷新する。呼称の「FC琉球」に変更はない。

「女子サッカーチーム」発足、「新応援ソング」も

女子サッカーチームの発足を発表する倉林社長

 クラブは2024年シーズンに女子サッカーチームを発足させることも発表した。日本女子サッカーリーグ(なでしこリーグ)への最短での参戦、トップリーグで活躍できる選手の育成を目標に掲げる。アジア戦略の一環として、インドネシアやベトナムの女子サッカーチームとの連携を予定し、沖縄県内での交流試合なども構想している。

 公式応援ソングも刷新する。現在は沖縄出身の人気ロックバンド「ORANGE RANGE」が提供した「Ryukyu Wind」をホーム戦などで使用しており、今回も沖縄の有名アーティストとの制作が決定しているという。11月中にも詳細を発表する予定だ。

 その他、2024年シーズンのユニフォームは若者を中心に人気のファッションブランド「#FR2(エフアールツー)」とのコラボレーションが決定した。

 チームの目指すサッカーのスタイルやユースチームの育成方針などにも言及し、2024年に「J2再昇格」、2025年に「U-20W杯代表選出」、2026年に「J1昇格争い」、2027年に「J1昇格」、2028年に「新スタジアム完成」「ロス五輪代表選出」というロードマップを掲げた

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宮古毎日新聞

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