サポーター“困惑”も… FC琉球が「エンブレム」など刷新へ クラブ創設20周年

 

首都圏の社会人チーム4クラブと業務提携

業務提携を結んだ首都圏サッカーチームの代表と倉林社長(中央)

 説明会では東京都社会人サッカーリーグ1部の「SHIBUYA CITY FC」、神奈川県社会人サッカーリーグ1部の「品川カルチャークラブ」、「鎌倉インターナショナルFC」、千葉県社会人サッカーリーグ1部の「房総ローヴァーズ木更津FC」の首都圏に拠点を置く4チームとの業務提携も発表。今後トップチームや育成年代の交流、マーケティングや運営ノウハウの共有、選手のセカンドキャリアを支援する上での連携などを図っていく。

 各チームの代表者4人を招き、倉林社長の進行でパネルディスカッションも行った。

 鎌倉の四方健太郎オーナーは、自身もチームのリブランディングに取り組んでことに触れ、「私たちのクラブはまだ歴史が短いですが、前のロゴにもすごい気持ちがあり、大きな決断でした。ただ僕がかっこいいと思ってるだけではなく、若い世代にも親しまれるものが必要だと感じ、実行しました。何かが変わることはある種の気持ち悪さがありますが、私たちは『かっこいい』という声をいただき、いい効果が出ました」と振り返った。

 品川の吉田祐介代表取締役は、他チームの選手も含めたセカンドキャリア支援に力を入れているとし、「ずっとサッカーをしてきた選手が、引退後にいきなり会社員として働くのはハードルが高い。セカンドキャリアに向かう手前の段階を『1.5キャリア』とし、就職支援や仕事が決まった後の伴走も行っています」と取り組みを紹介した。

新エンブレムの“決定過程”に不満も

登壇者の話に耳を傾けるサポーターら

 サポーターらとの質疑応答では新たなブランド展開における採算性や新スタジアム計画の進捗状況などについて質問があった他、新エンブレムの決定過程についてサポーターから不満の声が上がった。

 倉林社長は「決して過去を否定するわけではなく、今のエンブレムを継承しながら新しいものに変化していかないといけない。皆さんがFC琉球のサポーターになった時に現エンブレムがあったように、これからサポーターになる方々は新しいエンブレムの下で応援をしていただきます。最初は違和感があるかもしれませんが、これまでと同様に新しいロゴも愛情を持って少しずつ育てていきたいです」と語った。

 それに対し、マイクを握った男性は「今年の1~2月に倉林さんが(新エンブレムについて)話をしていただいた時から、一切この関連の話が出てこなかった。何も知らされていない。これで寄り添えと言われても現状は正直難しいです。愛を持って接してほしいと言うのであれば、クラブも私たちに愛を見せてほしい。(エンブレムを)変えるなとは言わない。私たちと皆さんの二人三脚で愛を育てることが必要だと感じます。今後、このような対応が改善されることを期待します」と訴えた。

 別の男性は「サポーター不在の中で決まってしまったのは非常に残念です」とした上で「歴史的なイベントの時は今のエンブレム、これから育てていくのが新しいエンブレム。両方あってもいいのではないかと思います」と述べ、2つのエンブレムが共存する道を提案した。

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長嶺 真輝

投稿者記事一覧

ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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