プロ卓球選手の上江洲、スウェーデン1部でエース格として優勝に貢献!

 
スェーデンリーグで優勝を飾り、金メダルを噛む上江洲光志(左から2人目)ら「ソーダハム」のメンバー=5月3日、スウェーデン(上江洲さん提供)

 今月3日、卓球の強豪国の一つとして知られるスウェーデン。800人超の観衆が見守る中、歓喜の瞬間が訪れた。相手のレシーブがネットに掛かり、白いボールが台の下に転がり落ちる。同時に選手やスタッフ約50人がコートへなだれ込み、円をつくって全員で飛び跳ねながら喜びを爆発させた。

 輪の中心にいたのが、うるま市出身のプロ卓球選手、上江洲光志(27)=天願小学校ー愛工大名電中学ー愛工大名電高校ー愛知工業大学出身=だ。今シーズンはTリーグで2度目の優勝を飾った琉球アスティーダに所属しながら、スウェーデン1部リーグにも参戦。所属する「ソーダハム」をエース格として引っ張り、チームを史上7度目のリーグ優勝に導いた。

インタビューで飛躍の1年を振り返る上江洲=16日、うるま市の海中道路

 16日、沖縄に帰省中の上江洲が地元のうるま市内でインタビューに応じた。

リーグ戦を1位通過 上江洲合流後は負け無し

 スウェーデンリーグは1戦につき団体戦でシングルス6試合、ダブルス1試合の順で試合を行い、先に4勝した方がチームとしての勝者となる。同じ選手が複数回出ることもできる。8チームが参戦し、レギュラーシーズンはホーム&アウェー方式で全14戦ずつ。スウェーデンのトップ級選手もいるソーダハムは好調を続け、さらに上江洲が今年2月下旬に合流してからは6戦無敗で1位をキープしたままレギュラーシーズンを終えた。

ファイナルの舞台でポイントを奪い、ガッツポーズを決める上江洲(上江洲さん提供)

 欧州では大柄でパワーのある選手が多く、台から離れて豪快なショットを放つのが主流だ。台に近い場所でプレーして打球点(ボールを打つポイント)が速い選手が多い日本とは異なるスタイルだが、上江洲は「高校の頃から国際大会には出ていたので、対応に苦しむことはありませんでした」と言い、主力としての地位を確立していった。

 4チームが2戦先勝方式のトーナメントで年間王者を争うプレーオフでは、ソーダハムは4月中旬にあった準決勝を2勝0敗で順当に勝ち上がった。

 5月1日に開幕した決勝で対戦したチームは、世界ランキング7位につけるスウェーデンの名手、トルルス・モーレゴードをはじめ、イングランドのトッププレーヤーやハンガリーの代表としてオリンピックに出場した選手らが所属する強豪だ。

世界ランキング7位にダブルスで2連勝

 上江洲はファイナル第1戦のシングルスで初めてモーレゴードと対戦。多彩なサーブや強烈なフォアハンドで圧倒されてストレート負けを喫したが、「見るのと実際に台でボールを受けるのとでは全然違う。天才肌で型にはまらず、全てのボールが一級品の選手。貴重な経験でした」と清々しい表情で振り返る。

 その後、チームの勝敗数が3ー3で迎えた最後のダブルスでまたもモーレゴードのペアとぶつかった。最初のゲームは取られたが、そこから2ゲームを続けて奪って勝利し、ファイナル第1戦の勝利に大きく貢献した。

バックハンドでボールを返す上江洲(上江洲さん提供)

 「もともとダブルスには自信がある」と言い切る。短いボールを手首を使って払うように打つフリックや、攻撃的なバックハンドのチキータを得意とし、コース取りもうまい。「自分が厳しいボールを打って甘い球を返させることで、相方がショットを決めやすくなる」と自身の強みを解説する。

 勝てば優勝が決まる2日後のファイナル第2戦。再びチームの対戦成績が3勝3敗に並ぶ大接戦となり、またも上江洲が出場する最後のダブルスに勝負の命運が託された。相手は同じモーレゴードペア。1ゲーム目から緊張感あふれる試合展開でジュースが続き、11点マッチの試合で17ー15となんとか先行した。

 2ゲーム目は終盤で抜け出して10ー7とマッチポイントを迎えたが、そこから2連続得点を許して粘られる。しかし、最後に相手がレシーブをミスし、ソーダハムの優勝が決まった。

優勝を報じる現地の新聞と、金メダル
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