プロ卓球選手の上江洲、スウェーデン1部でエース格として優勝に貢献!

 

初めて主力として頂点に「最高だった」

沖縄に帰省中の上江洲。地元で英気を養っている=16日、うるま市の海中道路

 最後まで「ここにボールが来たらここに打つ」などとプレーに頭を巡らせ、極度の集中状態を保っていた上江洲。優勝が決定した瞬間は理解が追い付かず「頭が真っ白になった」という。しかし、約3カ月間の滞在で信頼関係を構築してきたチームの仲間たちと抱き合い、スタンドのファンから盛大な拍手を浴び、金メダルを首に掛けると、実感が湧いてきた。

 中学進学と同時に単身、沖縄を離れ、常に強豪チームに身を置いてきた。学生時代に加え、実業団の名門である東京アート(昨年3月いっぱいで休部)に所属していた頃も何度もチームでタイトルを獲得してきたが、主力として頂点に立った経験はほぼない。

 「主力として毎回試合に出て、チームをけん引し、優勝まで導けた。こういう経験は今回が初めてです。もう本当に、最高でした」

ハングリーさ身に付ける 沖縄で英気養い来季へ

優勝を果たし、本拠地の街で優勝パレードに臨む上江洲(左から7人目)らソーダハムのメンバー

 優勝決定後は本拠地の街で優勝パレードが開催され、その後もチームメートの家やレストランなどで開かれるパーティーに4日続けて参加。優勝の興奮冷めやらぬまま8日に現地を離れ、9日に帰国した。現在は激戦の疲れを癒し、来シーズンに向かうため、故郷で英気を養っている。

 今シーズンはアスティーダに加入して沖縄県出身選手として初のTリーガーとなり、さらにスウェーデンでも快挙を成し遂げた。飛躍の1年をこう振り返る。

 「アスティーダに加入してから地元の人たちと触れ合ったり、メディアにも出させてもらって、貴重な経験ができました。スウェーデンリーグにも参戦したことで試合に出る機会が増え、モチベーションを高く維持して充実した1年になりました。海外では7~8時間をかけて自分たちで車で移動し、試合に行くことも当たり前で、ハングリー精神も身に付いたと思います。忍耐力など、今後に生かしていきたいです」

 世界を股に掛け、躍動する沖縄卓球界の星、上江洲光志。その活躍から、今後も目が離せない。

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長嶺 真輝

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ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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