強豪のスペイン・バルセロナでバスケコーチ留学中 又吉さん、資金募り挑戦

 
欧州の強豪FCバルセロナのU17チームでコーチ留学中の又吉佑さん(本人提供)

 昨シーズンまでプロバスケットボールBリーグ1部の広島ドラゴンフライズでアシスタントコーチ(AC)をしていた沖縄市出身の又吉佑さん(26)=普天間高校ー鹿屋体育大学ー筑波大学大学院出身=が、強豪国スペインでコーチ留学中だ。所属するのは、スペインリーグ1部の名門FCバルセロナのU17チーム。ACとして世界トップクラスの戦術や組織づくりのノウハウを学び、日本バスケ界の発展に貢献したい考えだ。

 又吉さんは現在、留学の中身を充実させるためにクラウドファンディングで資金を募っている。創設7年目を迎えるBリーグの影響もあって選手のレベル向上が著しい日本バスケでは、海外でコーチングを学ぶ若手指導者も増えており、指導レベルも上がってきている。又吉さんは「クラウドファンディングを利用した海外留学の前例を支援者の皆さんとつくりたいです」と目標達成への後押しを呼び掛ける。

【クラウドファンディングページは以下】

↓↓↓

https://camp-fire.jp/projects/view/640317?utm_campaign=cp_po_share_c_msg_mypage_projects_show

目標は100万円! 募集は12月31日まで

テレビ電話でインタビューに答える又吉佑さん

 クラウドファンデイングは専用サイト「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」を利用している。目標は12月31日までに100万円。29日時点で約80万円にとどまっており、現在ラストスパート中だ。支援金額は580円~100,000円まで幅広く設定しており、金額によってチームを訪問してのクリニックやオンラインコンサルティング、バルセロナコーチ陣のインタビュー動画など多彩な内容のリターンを用意している。

 資金の使い道は、残り約6カ月の現地滞在費(家賃、食費、交通費など)や語学学校代などに活用する。110万円を目標とする「ネクストゴール」も設定しており、達成できればマッカビ・テル・アビブ(イスラエル)やボローニャ(イタリア)、ベニカルロ(スペイン)などユーロリーグに参戦している各国チームの練習を見学する予定。

 又吉さんは「日本に帰ってからこのような経験をしようとするとかなりの時間と費用がかかってしまいます。スペインにいる今しかできない経験をしたいと思っています」と語る。

鹿屋体育大、筑波大で学生コーチ

沖縄東中学校時代の又吉さん(右)(本人提供)

 又吉さんは1996年5月生まれ。沖縄市の泡瀬小学校4年の時、兄や友人の影響でバスケを始めた。沖縄東中学校、普天間高校でも継続し、将来は「体育の先生になってバスケを教えたい」と鹿児島県の鹿屋体育大学へ。九州1部という強豪の中で「選手としては限界を感じていた」と、1年の途中でコーチに転向。2シーズンをAC、最後の1シーズンはヘッドコーチ(HC)を務めた。

 長らく現役の学生がコーチを務めてきた同大は、Bリーグでも琉球ゴールデンキングスの森重貴裕ACや川崎ブレイブサンダースの穂坂健祐AC、茨城ロボッツの福田将吾アソシエイトHCなど多くの若手コーチを輩出している。国内の一線で活躍する先輩たちの影響もあり、在学中から「バスケだけに集中できる環境に身を置くため、プロのコーチになりたい」と考えるようになった。

鹿屋体育大4年次のバスケ部メンバー(本人提供)

 さらに深くコーチングを学ぶため、卒業後は日本の大学バスケ界の名門である茨城県の筑波大学の大学院に進み、バスケ部のACに就いた。1年目は現在キングスに所属する牧隼利が当時4年生で、主将としてチームを引っ張り、全日本大学選手権(インカレ)で優勝。2年目も準優勝を果たした。

 大学バスケ界の名将である吉田健司監督の下に2年間身を置き、「一番学んだものは組織づくりのノウハウです。吉田監督は選手の自主性をとても大事にする。選手発のミーティングも多かったです。貴重な経験でした」と振り返る。学生が自ら考え、誠心誠意バスケに取り組む強豪校ならではの”カルチャー”を身に染みて感じたという。

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