初の全国大会“選抜”へ! 読谷高校ラグビー部 見据える花園
- 2021/3/23
- エンタメ・スポーツ
甲子園球場では高校野球のセンバツ大会がスタートし、球児たちの春が帰ってきた。一方でこの”選抜”は野球に限らない。ハンドボール、空手、レスリングなど、さまざまな高校スポーツでも行われていて、今月25日から埼玉県で開催されるラグビーの全国選抜大会では読谷高校が出場する。同日午後3時45分から、初戦となる茗渓学園(茨城)戦がキックオフされる。
あと一歩からのステップアップ
読谷高校ラグビー部は男子20人、女子3人の選手たちが日々汗を流している。去年11月は、年末年始に聖地、大阪の花園で行われる全国高校ラグビー大会の県予選決勝で名護に19-21と惜敗。初の全国出場まであと一歩及ばなかった。
その借りを返すかのように、3年生引退後の新チームは躍動し続けている。今年1月の県新人大会決勝では名護に48-0と完勝して14年ぶりの優勝を果たし、リベンジを果たした。
また県代表として出場した先月の九州大会でも強豪、長崎南山を相手に勝利した。全国選抜大会(3月25日~埼玉県)の九州代表枠入りまであと1勝と迫ったが、高鍋(宮崎)に惜敗した。それでも、ここまでの善戦が認められ西日本推薦枠2校のうちの1校に選ばれ、全国32校のみが参加できる”選抜”への出場が決まった。
花園へ向けて チームの意気込み
読谷の司令塔、スタンドオフで主将を務める島袋世良(しまぶくろ せら・2年)選手は、チーム初の全国で緊張はあるとしながらも「試合をすることで全国レベルのラグビーを体験でき、(12月開幕の)花園に向けての試金石になると思うので全部吸収していきたいです」と語った。
またプレーでチームをけん引するセンター松尾息吹(まつお いぶき・2年)選手は九州大会での右手のケガで選抜には出られない。しかしこの春の経験が、3年生となる新年度につながると話す。「一番の目標は花園に出場してそこで活躍することです。全国選抜でチームが体感したことを生かして、花園に出ても勝っていけるチームにしていきたいです」
チームを率いて6年目の久場良文(くば りょうぶん)監督は、選抜出場を勝ち取った要因として、これまでの体力強化に加えて、去年秋に花園まであと一歩と迫りながら敗れた悔しさが原動力になったと考えている。「勝ちたいという気持ちがないと日々の練習も励めないし、上に行きたいという気持ちがないと行動につながらないと思うので、日々の積み重ねがいまのチームにつながっています」
選抜の経験を糧に
読谷は選抜大会初日となる25日の1回戦で花園の常連校でもある茗渓学園(茨城)と対戦する。読谷にとっては全てが良い経験で、ウォーミングアップの動作から見て学びたいという声もあった。その上で久場監督は「自分たちの力がどこまで通用するのか、肌で感じられることがとても大きいので思い切り暴れて欲しい。」と選手たちにハッパをかけた。
ラグビーの全国選抜出場は2017年の名護に続く県勢2回目の出場となる。強豪ぞろいで文字通りの選抜大会、出場できるだけでも快挙ではあるが、読谷の選手たちの健闘と、花園につながる内容を期待したい。