沖縄の子どもたちに夢と希望と目標を 現役プロ選手とOBが野球教室を開催

 
投手の体重移動をチェックする与田剛さん

 プロ野球オフシーズンの12月は野球教室が花盛りだ。美ら島沖縄大使で中日前監督の与田剛さん(57)らOB3人は、南風原町の黄金森公園野球場で、又吉克樹投手(ソフトバンク)ら沖縄県出身の現役選手6人は、南城市の新開球場でそれぞれ野球教室を行った。いずれも、地元の少年野球連盟チームから100人ほどの少年少女が参加した。

 25日にJA共催プレゼンツ美ら島野球教室を行った与田さんは、現役時代、春季キャンプを沖縄で経験し、美ら島沖縄大使をおよそ20年努めるなど沖縄に縁が深い。「お世話になった沖縄に恩返しがしたい」と、毎年沖縄の少年少女たちに野球の基本を教えている。今年は中日OBの仁村徹さん(61)、旭和男さん(71)が講師に加わって、まずはベースランニングでベースの踏み方や走り方を指導、その後キャッチボール、守備練習、打撃練習と3時間みっちりとアドバイスした。

 津嘉山少年野球クラブの投手金城伶さん(12)は「投げ急がず、ちゃんと止まって軸を作ってから投げろと言われ、やってみたら球が速くなった」と目を輝かせた。お兄さんの練習見学をしていた時に「一緒にやろう」と声を掛けられチームに入団した、新川ダイヤモンズの金城柑那さん(8)は、与田さんからキャッチボールがうまいねと褒められた。「嬉しい。将来はプロ選手になりたい」と楽しそうだ。母親も「野球を始めて自分のことは自分で出来るようになったし、家のお手伝いもするようになった」と喜んだ。

美ら島野球教室 金城柑那さんとキャッチボール

 練習後、仁村さんは「野球は失敗の繰り返し。打撃は特にそう。悩んでも仕方が無い。例えばエラーをしても次飛んでこいとってやるくらいの切り替えが大事だよ」と選手達にアドバイス。与田さんは「僕らがプロで出来たのは、周りのサポートがあって根気よく我慢してくれた大人がいたから。子どもが出来るまで待つ、子どもが聞くまで待つ、大人が諦めちゃいけない」と、見守る大人たちにお願いをした。

 一方、28日に開催された「プロ野球沖縄県人会主催ベースボールフェス」では、野球を教えるというよりも、子ども全員とふれあうことに重点が置かれた。参加したのは、ソフトバンクから又吉克樹投手と地元南城市で育った嶺井博希捕手、西武から與座海人投手、オリックスから大城滉二選手、宜保翔選手、宮城大弥投手の豪華メンバー6名だ。最初に選手たちと一緒にグラウンドを一周した後は、キャッチボールとノックを行い、その間に選手たちは子どもたち一人一人丁寧に声を掛け続けた。

宜保選手真剣・・ほーむら~~ん

 その後は、プロの投球と打撃を披露、球のスピードや打球の飛距離に「おお〜!」と驚きの声が何度も上がった。また、質疑応答コーナーでは知念イーグルスの幸地翼さん(12)から「投手として打ち取ったと思った球をエラーされたらどう思いますか?」と鋭い質問が飛んだ。

宮城大弥投手の投球を見つめる

 又吉投手は「僕は投げた瞬間から起こったことは仕方ないと思う。昔はちょっと勘弁して〜って思ったけど、ボールが離れたら神頼み。日頃、野手の人たちが一生懸命練習しているのを見ているし、自分が助けてもらっているので、みんなが思っているほどピッチャーは悪く思っていないよ」と意外な回答。大城選手は野手側からの気持ちを「ごめんと投手に言うけど、ポジションに戻る時には、いつも助けてやってるだろって思うようにしているよ」と笑って応えた。

 野球教室を終えて、6名の選手一同「めちゃくちゃ楽しかった」と口を揃え、少年時代に戻ったような笑顔を見せた。主催したプロ野球沖縄県人会運営事務局代表の渡辺潤さんは「野球人口も減り、沖縄は中学に上がるときに野球を辞める子どもが多い。今日みたいにプロから声を掛けられたら一生忘れないし、続けてくれる。今年で6回目だが、今後も41市町村全部回れるように継続していきたい。快く引き受けてくれる選手たちにも感謝です」と語った。

 現在、沖縄出身のプロ野球選手はおよそ30名。これからもより多くのプロ選手が誕生し、県民を楽しませてくれることを期待している。

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相羽 としえ

投稿者記事一覧

愛知県生まれ。東海ラジオアナウンサーからフリーアナウンサー&ライターに。スポーツニッポン、中日スポーツなどのスポーツ記者を経て、2017年沖縄与那原町に移住。3年間地域おこし協力隊として与那原の情報発信に務めた。現在もまちづくりなど様々な情報を発信中。

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