シャンソン知名が地元凱旋「子どもに夢与えたい」 宜野湾でWリーグ、女子バスケ

 
前線にボールを運ぶシャンソンの知名祐里=12月10日、宜野湾市立体育館(長嶺真輝撮影)

 女子バスケットボールWリーグのシャンソン対デンソーが12月10日、宜野湾市立体育館で行われ、シャンソンに所属する那覇市出身の知名祐里(松島中学ー西原高校出身)がデビューから3年目にして初めて地元でプレーした。得点こそなかったものの、持ち味の激しいディフェンスを随所で見せ、17分23秒出場した。

 試合前には後輩の西原高校現役生から花束を贈られたり、会場から大きな拍手で迎えられたりして、「緊張はしましたが、コートに立ってみるといつもの試合より自分が迎え入れられている感じがして、すごいやりやすかったです」とにこっと笑った。

 この日は657人が来場。11日にも午後1時から宜野湾市立体育館で同カードが行われる。

持ち味のディフェンスで躍動

味方のスリーポイントが決まり、ベンチで喜びを表現する知名(左から2人目)

 一方、チームは主力の小池遥と吉田舞衣がコンディション不良で帯同しておらず、守備の強度で上回られて39-64で大敗。通算成績は4勝3敗となり、貯金生活が危うい状況に追い込まれた。それを念頭に、知名は「自分たちのミスから相手に流れをつかまれてしまい、40分間シャンソンのバスケを出しきれずに負けてしまったので、悔しいです」と振り返った。

 自身はディフェンスで相手ガードに激しいプレッシャーを掛け続けた一方で、オフェンスではシュート4本を放って成功はゼロ。ターンオーバーも2つ記録した。「得点につなげたいという思いがあったので、それはとても悔しいです」と語り、11日の第2戦に向けて「今日できなかったことは切り替えて、明日自分に何ができるかを考えたい。自分らしくプレーするところを見てもらいたい。ファミリー感のあるシャンソンらしいバスケをしたいです」と次戦でのリベンジを誓った。

ゴール裏の席で観戦する、知名の高校時代の恩師である崎浜秀勝さん

 この日の会場には地元の後輩や、西原高校時代の恩師である崎浜秀勝さん(現石川高校監督)の姿も。「崎浜先生には高校3年間で本当にお世話になり、自分を成長させてくれました。あの時よりも成長した姿を表現できるようにコートに立ちました。西原高校の選手にも、自分の姿を見て何か一つでも感じてもらえたらうれしいです」と語った。

 国内の一線でプレーする教え子をゴール裏の席から見守った崎浜さんは「味方にも相手にもいい選手が多いので、とても勉強になると思う。まだ3年目で若いので、自身の強みであるスピードを活かして成長していってほしいです」と柔らかい表情で語った。

夢を与えられる選手に

 崎浜さんの言葉通り、高卒で入団した知名はまだ21歳。現役生活はまだこれから長そうだが、3年目に入った今もなかなかプレータイムが伸びていないのが現状だ。

 チームでの存在感をより増していくため、知名自身がポイントに挙げるのはやはり強みであるディフェンスだ。「高校の頃にディフェンスからの速攻という武器を培いました。オフェンスは調子のいい悪いがあるけど、ディフェンスは自分の体一つでやることなので(調子の良し悪しは)ないと思ってます。自分が出た時に100%のディフェンスをして、相手のターンオーバーを引き出し、いい流れを持ってきたい。チームのギアを変える力を身に付け、プレータイムを伸ばしたいです」と意気込みを語る。

 「Wリーグでは自分よりキャリアも実力もある選手がたくさんいます。出場した時、限られた時間の中で何をしないといけないのかはすごく考えさせられます」とも語り、自らの役割に日々頭を巡らせている様子。「今までお世話になった方々にプレーで恩返しをしたいという思いが一番にあります。その中で、Wリーグを目指してる子どもたちに夢や希望を与えられる選手になりたいです」と力強く語った。


長嶺 真輝

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ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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