FC琉球、奇跡の残留へ望みつなぐ!金沢に2-1 9試合ぶり白星

 

 サッカーJ2のFC琉球が、奇跡のJ2残留に向けて望みをつないだ。

 10月9日、琉球は石川県の西部緑地公園陸上競技場で14位のツエーゲン金沢と今季第40戦を行い、2-1(前半2-1、後半0-0)で逆転勝利を収めた。通算成績は7勝20敗13分。勝ち点は34でいわてグルージャ盛岡と並び、得失点差で上回って最下位から21位に順位を上げた。J2に残留できる最低順位である20位のザスパクサツ群馬との勝ち点差は5。

 試合前、今季残り3試合を全勝することが残留の条件だった琉球。直近で7試合連続無得点という厳しい状況が続いていたが、執念で白星をつかんだ。次戦は16日に千葉県のフクダ電子アリーナで10位のジェフユナイテッド千葉と対戦し、今季最終戦となる5位の大分トリニータ戦は23日にホームで行う。

大本 今季初ゴールが殊勲の一発

 先制点は金沢。前半17分、右サイドの裏にパスを供給され、ダイレクトのクロスに頭で合わされて得点を許した。 

 得点力不足の琉球にとっては嫌な展開となったが、崖っぷちに追い込まれた状況下で意地を見せる。わずか3分後、DF大本祐槻が左サイドから右足でゴールに向かう絶妙なクロスを上げると、反応したFW野田隆之介が競り合いを制して強烈なヘディングシュートを放ち、すかさず同点に追い付いた。

 さらに前半終了間際、ペナルティエリア手前中央でこぼれ球を拾った大本が、今度は自らゴールを割る。右側に少しボールを動かしてズレをつくり、右足一線。コースを狙ったシュートは相手ディフェンダーに当たってコースが変わり、ゴール左隅に吸い込まれた。

 「何度も降格圏から脱出できるチャンスを逃してきた中で、今日がラストチャンスでした。選手も一層危機感を持って試合に入れました」と振り返る大本。長らくチームとして無得点が続いていたことを念頭に「ここ何試合も前線の選手が得点を取れてない中で、非常に責任を感じていました。高いシュートの意識を持って今日の試合に入ると決めていたので、ああいう形になってよかったです」と喜びを語った。

依然険しい道のり 気を緩めず

 J2残留に向けて首の皮一枚つながった琉球。ただ、道のりは依然として険しい。大本は「残り2試合に勢いが付く勝利になったと思う。あとの試合を2連勝して、必ず残留の貢献したいです」と力強く語った。

 ナチョ・フェルナンデス監督も気を緩めない。「守備は縦に速い攻撃を仕掛けてくる相手に対し、全体的なディフェンスラインのコントロールは悪くなかった。ただチャンスが多くある中で、3点目、4点目を取って早く仕留めきれなかったのは課題です」と厳しい表情を見せた。


長嶺 真輝

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ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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