内戦続くミャンマーは国際社会から見捨てられたのか 沖縄から立てる三本指

 

「命どぅ宝」をミャンマーにも

 ソウさんのお店「ロイヤルミャンマー」から歩いて1分ほど、同じく栄町市場内に、自身が事務局長を務める「在沖縄ミャンマー人会」の事務所がある。中では約80枚の写真やパネルが展示されている。燃える街、亡くなる前には笑顔だった女性、デモを行う市民たち。軒先ではミャンマーへの支援を訴えるメッセージTシャツやエコバックなどを販売しており、収益はミャンマーの人々へと寄付される。

 ソウさんは「ミャンマーの人々は『何をされても抵抗をやめない』という覚悟です。負ける気はしません」と力強く語る。今では国軍側にいた人々が市民側に鞍替えする例も増えているという。

 事務所での取材中、ジャリンジャリンと音が鳴った。軒先の募金箱に、通りすがった女性が財布をひっくり返してありったけの小銭を入れていった。沖縄から届ける支援の輪。事務所内の目立つ場所には、別の人が残していったこんなメッセージが貼られてあった。「『命どぅ宝』という沖縄の言葉。ミャンマーでも同じ」。抵抗運動のシンボルである3本指を、ミャンマーの人々と共に立て続けたい。

次ページ:
1 2

3


長濱 良起

投稿者記事一覧

フリーランス記者。
元琉球新報記者。教育行政、市町村行政、基地問題の現場などを取材する。
琉球大学マスコミ学コース卒業後、県内各企業のスポンサードで世界30カ国を約2年かけて巡る。
2018年、北京・中央民族大学に語学留学。
1986年、沖縄県浦添市出身。著書に「沖縄人世界一周!絆をつなぐ旅!」(編集工房東洋企画)

この著者の最新の記事

関連記事

おすすめ記事

  1.  サッカーJ3のFC琉球が、第2次金鍾成(キン・ジョンソン)監督体制下の初陣を白星で飾った…
  2. 今季から琉球ゴールデンキングスに加入したアレックス・カーク(左から2人目)やヴィック・ローら=16…
  3.  FC琉球の監督が、また代わった。  サッカーJ3で20チーム中18位に沈む琉球は1…
  4. 戦前に首里城正殿前に設置されていたバスケットボールゴールを再現した首里高校の生徒ら=8月27日、那…
  5.  8月12日、浦添市のアイム・ユニバースてだこホール市民交流室は熱気が渦巻いていた。ステー…

特集記事

  1. 再びFC琉球の指揮を執ることになり、トレーニング中に選手たちに指示を送る金鍾成監督=19日、東風平…
  2. ヴィック・ロー(中央)の入団会見で記念撮影に応じる琉球ゴールデンキングスの(左から)安永淳一GM、…
  3. 沖縄県庁  沖縄県は、地域の緊張を和らげようと、4月から「地域外交室」を設置し、照屋義実副知…
ページ上部へ戻る ページ下部へ移動 ホームへ戻る 前の記事へ 次の記事へ