アフリカと融合で癒しの音色「琉球カリンバ」 老舗楽器店が開発

 

 沖縄の新しい楽器として、県内向けにも「学校用の教材としてもしっかり卸していきたい」(石川さん)という目標がある。その一環で、県内の保育園や児童館にも琉球カリンバを寄贈する活動を行っている。

糸満市内の保育園への寄贈(提供)

楽器と沖縄文化の融合

 高良社長が生まれた60年前の沖縄では、うちなーぐち(沖縄の言葉)は“低俗で良くないもの”とされ、同世代の友人はうちなーぐちが用いられた民謡や古典音楽と距離を置く人もいたという。それ故に沖縄の伝統文化継承に寄せる思いはひとしおだ。高良レコード店にはギターやドラムといった楽器のみならず、三線、三板(カスタネットのような打楽器)、パーランクー(小太鼓)なども取り揃えている。

 さらには、楽器と沖縄文化の融合の一つの在り方として、ゴーヤーの形をした「ゴーヤーマラカス」や、赤と黄色のカラーリングが特徴的な沖縄の伝統箸・ンメーシをモチーフにした「沖縄ドラムスティック」など、数々の楽器を生み出してきた。

 73年間も沖縄の音楽を支え、歴史を見つめてきた高良レコード店は、未来に生み出されるであろう新しい沖縄音楽の発信源としてこれからも歩み続ける。

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長濱 良起

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フリーランス記者。
元琉球新報記者。教育行政、市町村行政、基地問題の現場などを取材する。
琉球大学マスコミ学コース卒業後、県内各企業のスポンサードで世界30カ国を約2年かけて巡る。
2018年、北京・中央民族大学に語学留学。
1986年、沖縄県浦添市出身。著書に「沖縄人世界一周!絆をつなぐ旅!」(編集工房東洋企画)

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