「沖縄が1番大好きな場所」沖縄出身俳優・尚玄のこと 女優・柴田千紘の沖縄めぐり
- 2022/1/13
- エンタメ・スポーツ
旅を愛する女優・柴田千紘さんに、沖縄リピーターの立場で見た沖縄を素直な視点で描いてもらう紀行日記。今回は柴田さんの俳優仲間/先輩で沖縄出身の尚玄さんにインタビューを敢行。出演作品を桜坂で観た柴田さんの感想は如何に。
1月9日に桜坂劇場に久しぶりに映画を観に行った。最後に桜坂劇場で観た映画は佐近圭太郎監督の『東京バタフライ』。そして私の今年初観賞となった映画は小島央大監督の『JOINT』。
この両作品に出演しているのが、沖縄出身の俳優・尚玄です。
私も映画にたまに出演したり映画祭に行ったりで、映画関係の人に会うことは多いのですが、尚玄と一番最初に会ったのは共通の沖縄の友人を介してだったかも。友人と私がルームシェアしていた時期だったからもう10年前くらいになりそうです。
たぶんその10年の間も尚玄はこの映画界を濃密に駆け巡っていたでしょうから、気ままにその界隈に参加する私みたいなもんとも偶然鉢合わせることがありました。東京、奈良、ドイツでも。最近沖縄関連の映画が撮影中とか上映中って聞くと必ずといっていいほど尚玄の名前があります。
俳優でいろんな役をストイックにやるのに、誰にでも優しくてフレンドリーで友人が多いイメージ。東京の現場でも、ハリウッド関係の作品でも、スタッフさんやキャストと仲良くなって話すと皆大抵この沖縄出身の俳優を知っている。
「尚玄のこと嫌いって言う人聞かないよね」って昔誰かに言われて確かに、と思った記憶があります。
あの人も知ってる、ここも繋がってる、というようなことが本当によくあるので皆さんにも是非ググってチェックしてほしいです。知ってる作品があると思います。もしくは多分、友達の友達かもしれません。
沖縄で生まれ育った尚玄は大学で東京に出て、知り合いのツテでモデルの仕事から始めましたが、子供の頃から俳優をやる夢をもっていたと言います。
俳優としての映画デビュー作になる『ハブと拳骨』は戦後の沖縄を描いた作品で、三線弾きの主役を務めた。元々三線を弾いてきたわけではないので、この作品のために1年以上かけて練習して、民謡を歌うために沖縄の方言も勉強したらしい。
去年の11月にも沖縄の戦後の傷跡が残る南部が舞台の、ある作品に入っていて、その役が発するとても大切な台詞と向き合ったのだそう。沖縄題材の作品でそういった出会いがあると「沖縄人である自分が魂を乗せてその台詞を言う使命感のようなものを感じる」と話していました。