コロナ禍で向かう九州大会 嘉手納高ウエイトリフティング部の今
- 2022/1/9
- エンタメ・スポーツ
県内では年を越して新型コロナ感染が再拡大している。高校や特別支援学校など県立学校には、県教育委員会から部活動の原則休止などが盛り込まれた通知が6日に出された。その一方で九州・全国大会への派遣が決まっているチームや個人といった場合には、学校長の許可のもと、時間や参加人数を限定した上での練習が許可されている。県外大会を目前に控え、見えない相手とも戦う嘉手納高校ウエイトリフティング部の監督・選手に率直な思いを聞いた。
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躍進みせる嘉手納高ウエイト部
去年11月の県高校新人ウエイトリフティング競技大会で総勢女子5人の嘉手納高校は6階級中4階級で優勝し、さらに5人全員が3月下旬に石川県金沢市で開催が予定されている全国選抜大会への出場権をかけた九州大会(1月15、16日 鹿児島県)出場を決めた。競技人口が少ないことを差し引いても各選手が大会新記録など実力を発揮して手繰り寄せた「部員全員九州大会出場」だった。またウエイト競技には学校対抗戦もあり、出場選手がより多く上位に入ると得点が加算される。11月の県大会で嘉手納は女子1位、九州大会でも学校優勝が目標の1つだ。
元五輪選手として、また日本代表チームコーチとしての顔を持つ平良真理(たいら まり)教諭の指導のもと、選手たちはぐんぐんと力を伸ばし続けている。目前に控えた九州大会も全国選抜への試金石と練習や準備を進めていた。新型コロナ感染再拡大はその矢先に起こった。
「良い試合をして健康で帰ってくる」
今月8日土曜日の嘉手納高校。静かな体育館ではウエイト部の器具を扱う音やバーベルを差し挙げる選手の呼吸がひと際大きく聞こえる。5人の選手たちを前に平良監督は「(九州での感染状況から判断して)関係者の方々が大会をやると決めたので、感謝の気持ちを持って行きましょう。沖縄は感染拡大していますが鹿児島に行ってもいろいろ注意をしながらやらないといけません。今回は勝ち負けではないと思います。良い試合をして健康で帰ってくるように頑張って(コロナ禍での)成功例をいっぱい作って欲しいです」と話した。
チーム全員でチャレンジできる大会である一方、指導者に不安がない訳ではない。しかしここ2年でさまざまな大会が中止され、涙を飲んできた教え子たちを間近で見てきた分、開催されるのであれば生徒の努力が報われるようにしたいとの思いは強い。