琉球大学はアイスホッケー強豪校!南国沖縄で熱を帯びる冬競技

 

 沖縄とアイスホッケーは、気候のイメージからかけ離れているようにも思えるが、スケートリンク設備があればもちろん南国の真夏でもプレーは可能だ。

 男女両チームが切磋琢磨しながら練習に励むことができるのは、沖縄県内唯一のスケートリンクを擁する「エナジックスポーツワールド サザンヒル」(南風原町)の存在が大きい。ここでアイスホッケー部は週2回、大会前になると週3回の練習に精を出す。コーチは国体チームのキャプテンでもある新里大さんが務め、後続の世代へとバトンをつないでいる。さらに、全国的にアイスホッケーの普及活動やチームの育成に当たる北海道在住の中島仁実さんの指導も年に数回受けている。守備の技術は中島さんから教わったものだ。

インカレ1回戦上智大学戦でシュートを放つ琉球大学=2021年11月(同部提供)

 

 前述のようにメンバー間での練習もあるが、琉球大アイスホッケー部のOBや、国体の沖縄チームの力も借りて競技力向上につなげる。

 また、アイスホッケーが盛んなアメリカでの経験者も多い米軍関係者のチームとの練習をしていることも特徴の1つだ。金城さんは「自分たちは動くチームなので、スケートの練習にも時間を割いている分、どうしてもパックを扱う技術やパス回しなどがまだ弱いんですよ」と話す。体格差もあり、技術力も高い格上相手からテクニックを吸収できるチャンスでもある。

経費の捻出に周囲のサポートも

 特に学生にとって、アイスホッケーを始めるのにも続けるのにも課題となりうるのは、どうしてもお金がかかってしまうことだ。スケートリンクの使用料の他、パックやスティック、防具といった用具代の他、公式戦は通常県外での試合となるために遠征費も高くついてしまう。

 ただ、こうしたハードルの部分ではサザンヒル側からの協力も一助となっている。部員らはサザンヒルで受付業務などのアルバイトをすることで、スケートやアイスホッケーと関わりながら資金を作ることができている。

 また、このような事情を身をもって体験したことのあるアイスホッケー部OB・OGからも寄付金が集まる。世代を超えてつながるゆいまーる(沖縄の言葉で「助け合い」)の輪に、金城さんは「とても助けられています」と感謝する。

「注目を集めて競技の魅力発信したい」

 沖縄では特に、アイスホッケーは他のスポーツに比べて知名度も普及度もこれからの伸びしろがある。阿部さんは「自分たちが成績を上げることで注目を集めて、発信度を高めていけたら」と話し、競技の魅力を多くの人に広めていきたい考えだ。

 たとえ真夏の沖縄でも、スケートリンクに一歩入ると広がる異世界。リンク上に鳴り響く、スケートシューズが氷をかく音、スティックがパックを叩く音。寒いリンク内だからこそ余計に選手たちの熱気が伝わってくる。琉球大学から広がる沖縄のアイスホッケー文化に期待を寄せたい。

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長濱 良起

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フリーランス記者。
元琉球新報記者。教育行政、市町村行政、基地問題の現場などを取材する。
琉球大学マスコミ学コース卒業後、県内各企業のスポンサードで世界30カ国を約2年かけて巡る。
2018年、北京・中央民族大学に語学留学。
1986年、沖縄県浦添市出身。著書に「沖縄人世界一周!絆をつなぐ旅!」(編集工房東洋企画)

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