「筋肉弁当」緻密な栄養計算 減量も筋トレも美味しく!

 

 「リーン食」という言葉をご存じだろうか。リーンとは英語のleanのことで、直訳すると「やせ型の」「脂身の無い」という意味だ。高タンパクで低脂質・低糖質・低カロリーな食事で、ダイエットや筋肉づくりに適した栄養バランスが徹底されている。2月、浦添市宮城にリーン食の専門弁当店、その名も「LEAN DELI~筋肉弁当~」がオープンした。遠くは糸満市や沖縄市からもお客さんを集め、話題となっている。現役でヘアサロンを経営しながら筋肉弁当の店主も務める下地康裕さんの思いとは。話を聞いた。

気になる筋肉弁当

 下地さんが母の喜美さんらと切り盛りする筋肉弁当のラインナップは、現在11種類と多彩だ。一般的にはダイエットや肉体改造のイメージは、食事制限を伴い、食べることを楽しめなくなるというイメージもあるが、おいしく食べて体づくりをすることができる。

 しかも安い。健康的な食事と引き換えに商品は多少値が張るのかと思いきや、普通の弁当と同じ価格帯だ。

タラの香草焼き(440円)/タンパク質22.8g、脂質12.6g、炭水化物49.6g/416kcal

 高カロリーの代名詞的存在とも言える唐揚げもある。唐揚げ弁当(490円)は505kcalに抑えられている。ダイエット中なのに唐揚げが食べられるのである。というか、率先して食べるべきなのが、この“計算された唐揚げ弁当”だ。脂身を全部除去するという徹底っぷりで、スッキリおいしい唐揚げを提供している。

 他にもローストビーフ丼やグリルチキン、ダイエットハンバーグなど、栄養バランスの心配をしないで好きなメニューを選ぶことができる。

リーン食って?

 筋肉弁当の商品は全て、緻密な計算の末に作られている。

 「絶対にグラム単位で計量して、栄養素のバランスをタンパク質が30%以上、脂質は10%以下、炭水化物は50~60%にしています」

 下地さんは「目的がダイエットでも筋肉作りでも、このバランスは変わらない」と話す。まさに健康な体にはもってこいの黄金比だ。

 このようにしっかりと数字で裏打ちされたリーン食。健康的な栄養バランスとスポーツ栄養学の両方の要素も取り入れた考え方で、厚生労働省もガイドラインを示している。

 巷ではよく、炭水化物を抜くダイエット法も実践されている。

 「炭水化物は基本的に摂らないといけないんですよ。栄養素を体の隅々まで届けるのが淡水化物の役割です。炭水化物を抜いて痩せるのは、単純に栄養が体に届いていないから痩せているだけです」

 運動をせずに炭水化物を抜くだけのダイエットだと、筋肉が細くなることがあり「手足は細いけどお腹が出ている」というような体になってしまう恐れがあるという。

 下地さんは、リーン食を通して、正しい体づくりの知識を付けてもらえるきっかけにもなればと考えている。

県民よ!海に映えるボディを!

 下地さん自身も約10年間、体づくりを続けている。学生を終えて体重が増えてきたため、ダイエットをしている中で「栄養や食事」の分野を知っていくことにはまっていった。なので、そもそもリーン食は自分で作って普段から食べていた。

 下地さんの周囲のボディービルダーやスポーツ選手といった「肉体のプロ」は、食事に気を遣う必要があるものの「外で(リーン食を)食べられる場所がない。自分で作るしかないよね」との困りごとを漏らしていた。

 それに対する答えの一つが、筋肉弁当だった。

 楽しく体づくり、という心持ちは、下地さんのトレーニングへの向き合い方にも表れている。

 トレーニングを始める一歩目がなかなか踏み出せない人に対しては、こう思っている。

 「みんな最初から頑張りすぎているのでは。毎日じゃなくても『月曜日の午前中はやろう』『むしろジムに行くだけでも良しとしよう』ぐらいでいいと思います。気分が乗らなければジムの中ウロウロして終わることもありましたよ。みんな真面目ですよね。自分はそこらへん適当です。少しずつでも長く続けていくことが大事だと思っています」

 自称「適当」の下地さんだが「でも、食事にはうるさいです。母親が『こっちの方がおいしくなるさ』とアレンジをしようとする時があるんですよ(笑)。きっちり計って作らないとダメですからね。この調味料は大さじ何杯とかって決まっているので」

 沖縄県民が健康的な体を手に入れた時には、意外な効果にも期待を寄せている。

 「せっかくきれいな海があるので、きれいな体で堂々とビーチで上着脱げる人がいっぱいいた方が、海だってかっこよく見えますよね。沖縄こそ健康な体づくりに力を入れるべきですよ」

 リーン食は、沖縄観光の在り方にも波及していく。

弁当を丸ごと真空冷凍する革命

 「まさかこんな『筋肉弁当』って名前で女性がいっぱい来てくれるとは思いませんでしたよ」と話す下地さん。

 男性だけではなく、健康や美への意識が高い20代後半から40代の女性からも人気を集めている。

 インスタグラムなどにも筋肉弁当が投稿されていく中で生まれた新商品もあるという。それがこのハンバーガーだ。

 持ち帰り用にと、鶏むね肉だけで作ったダイエットハンバーグを冷凍で販売したところ、お客さんの一人がそれをアレンジし、ハンバーガーを作っていたことにヒントを得た。

 そして何が驚くかと言うと、下地さん、ハンバーグどころか弁当そのものを丸ごと真空パックして冷凍する手法を編み出し、販売している。これにより「わざわざ毎日買いに来なくても、いつでもどこでも筋肉弁当を食べられる」という革命を起こしたのだ。

店内には冷凍メニューも

 この大革命で筋肉弁当が10日間保存できるようになった。

 「10個まとめて買ってくれたお客さんがいて、その翌週にもさらに10個買っていってくれました」

 商売上手だ。とても商売上手だ。

 筆者も次の日、真空冷凍のダイエットハンバーグ弁当を電子レンジで温め食べた。

 おいしい弁当を熱々で食べられること、「凍った弁当」という存在自体にワクワクしたこと、そして体に良いことをしていると思えること。この嬉しさ3拍子を一気に味わえるのもまた、筋肉弁当の魅力だ。

LEAN DELI~筋肉弁当~

住所:浦添市宮城5-11-6

電話:070-4419-0808

営業時間:09:00-14:00

定休日:日曜・祝日

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長濱 良起

長濱 良起

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フリーランス記者。
元琉球新報記者。教育行政、市町村行政、基地問題の現場などを取材する。
琉球大学マスコミ学コース卒業後、県内各企業のスポンサードで世界30カ国を約2年かけて巡る。
2018年、北京・中央民族大学に語学留学。2019年に県系移民などをつなぐウェブメディア「One Okinawa」創設。
1986年、沖縄県浦添市出身。著書に「沖縄人世界一周!絆をつなぐ旅!」(東洋企画)

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