北谷町長選 16年ぶりの新町長誕生へ 革新分裂の影響は?

 

 中でも象徴的な出来事となったのが、昨年12月議会で発議された議員報酬削減に関する条例案だった。新型コロナウイルスで住民生活に影響が出る中で、ベテラン勢は議員報酬の削減を要求したが、若手勢は「政治的パフォーマンスのために条例改正を行うべきではない」と慎重な議論を求め、方向性が割れた。

渡久地氏が革新サイドに合流

 この報酬削減条例について、革新系与党ベテラン勢に保守系会派から単独で合流したのが渡久地氏だった。この流れで「野国町長を支える」との価値観を共有した双方が結束、野国町長の後継として渡久地氏が立つことになった。8年前に野国町長と1対1の選挙戦を戦った際は自民公明からの推薦を受けていたが、今回は革新系政党の受け皿となった。

 しかし、これで納得いかないのは革新系与党若手勢だ。「自分たちが本来の革新だ。(町長選では)保守系サイドとの共闘はできない」として独自候補を立てることとなった。それが仲栄真氏だ。3期目で副議長を務める仲栄真氏は、年数においては若手勢の他のメンバーよりも長く「ベテラン」と言えるものの、考え方を共有していた。

 保守系からはもともと渡久地氏の出馬が有力視されていたものの、渡久地氏が革新系として名乗りを上げたため、16年前に一度町長選に出馬経験のある阿波根氏が候補者の選考委員会から出馬要請を受けた。16年前の町長選では、野国氏と新人同士の一騎打ちを果たしており、満を持しての再登板に保守系支持者からの待望論もささやかれる。

 前回の町長選は野国氏1人だけの立候補で無投票に終わった北谷町。8年ぶりとなる町長選、さらには16年ぶりの新町長の椅子には誰が就くのか。有権者約2万2000人の審判が下される。

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長濱 良起

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フリーランス記者。
元琉球新報記者。教育行政、市町村行政、基地問題の現場などを取材する。
琉球大学マスコミ学コース卒業後、県内各企業のスポンサードで世界30カ国を約2年かけて巡る。
2018年、北京・中央民族大学に語学留学。
1986年、沖縄県浦添市出身。著書に「沖縄人世界一周!絆をつなぐ旅!」(編集工房東洋企画)

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