【沖縄県知事選】「国と“決別”して新しい沖縄を」下地幹郎氏インタビュー

 
沖縄県知事選出馬について述べる下地幹郎氏

 9月11日投開票(8月25日告示)の沖縄県知事選挙に出馬を表明している元郵政民営化担当相の下地幹郎氏(61)。米国ホワイトハウス前で出馬を発表し、辺野古問題の「決着」と「国との決別」を繰り返しアピールしながら、沖縄本島各地や離島を飛び回って政策の浸透を図っている。今回の知事選出馬について、その動機や政策の内容について話を聞いた。

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予算額に差配されない政策の必要性

 ―出馬を表明してから、ご自身のWEBサイトや動画配信で積極的に発信してらっしゃいますが、先ずは出馬理由についてお聞きます。

「子どもの貧困もあるし、所得や経済が伸びないこともあるし、新しい沖縄をつくらなければ今の沖縄の環境は全く変わりません。しかし、現在の保革の2つの勢力の考え方を見ると、変わるのではなく『継続』だという姿勢です。私の新しい発想というのは、国との決別をすること。今までは異常に国に頼ってきて、その中で沖縄だけ特別な対応してくれっていつも言ってきました。でもそうではなくて、沖縄のための沖縄を自分たちで作らないといけません。
 こんなことを言うと『国から1円も貰わないのか』という声も聞こえてきますが、もちろん貰えるものは貰う。だって私たちは日本人なんだから、予算を貰う権利は当たり前にあります。そのはずなのに、その額の大小に差配されてしまっている。そういった状況に振り回されず、あくまで国に“依存はしない”という意味での決別なんです」

 ―下地さんが描くのはどんな沖縄なのか、そして現状の沖縄に対してどんな疑問や不満を感じているのでしょうか。

「沖縄の一括交付金は2012年に3,500億円まで伸ばしましたが、今は2,600億円で1000億円近くも切られてしまっている状況です。全国での予算が100兆円を超えて4年連続で伸びてるのにも関わらず、沖縄の予算は減らされている。その背景には辺野古の基地問題があって、それに差配されているんです。仲井真(弘多)知事許可の印鑑押したら予算を増やす、その一方で翁長(雄志)知事が出てきて反対したら予算を減らす。こういう状況に負けない政策を沖縄県は作れていないのが現状でしょう
 オール沖縄はこうした国の施策に対して『自分たちは違う、こういうことをされても我々は生き延びて、それ以上に成長するからあんたらそれでいいの?』と言い切れるほどの材料を作れていない。対して、保守の方は何してるかと言えば『うちを選んだら予算つけますよ』と言う。そして選ばなかったらまた予算が減る。こんな状況になっていることに、なぜ保革の両方が疑問を感じないかと思うわけですよ。復帰50年で、しかも沖縄担当大臣が沖縄の人で予算300億円切られましたが、本来であればそんなとはあり得ないんです。そうなるとやはり、私の役割として大臣や政務次官の経験から国のシステムをよく知ってる人間が知事としての役割を果たした方が面白い沖縄にできるんじゃないか、そういう思いがあります」

最重要政策は「辺野古の決着」

 ―政策では辺野古移設についてや「経済プラン10」といった項目を掲げています。全て重要だとは思いますが、特に重要だと位置づけている政策は何でしょうか。

辺野古が全てに影響します。辺野古が終わって県民が喧嘩をしなくなったら、コロナ政策、経済政策、教育政策でみんなが一丸となっていけるんです。それがないままには経済政策はまとまらないでしょう。だからこそ決着をつけなければならない、必ず解決をしないといけない。県民を二分していることを解決しないで、経済や教育の問題にはたどりつけないということを繰り返し言っています。
 馬毛島を2019年に国が買い取って、そして今工事が進んでいるという根拠を私は作ってきました。訓練を辺野古ではなく馬毛島に持っていくことで普天間の負担軽減につながると考えています。普天間の人たちは今まで、全てにおいて辺野古ができないと負担軽減にはならないと思っていました。しかし馬毛島への移転で上手いことやれるんですよ。その意味でも辺野古の決着が最優先ということで、これを解決しないと次の道は無いでしょう」

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