副知事人事で自民2議員が質疑 県議会2月定例会一般質問初日

 
沖縄県議会
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 3月1日の県議会2月定例会は一般質問初日を迎えた。沖縄・自民党の8人が登壇し、仲里全孝氏、新垣新氏の2人が副知事選任人事案を巡る質問を繰り広げた。

 玉城デニー知事は3月に任期満了となる富川盛武副知事の後任として、県政策参与とてるまさグループ代表を兼任する照屋義実氏を起用する方針を示している。照屋氏は県商工会連合会長を歴任、オール沖縄会議の共同代表と知事後援会の顧問も務めている。

兼職期間に公共工事6件受注

 照屋氏の出身企業である照正組が、これまでに県から工事を受注したことがあるかどうかという仲里氏の質問に対し、上原国定土木建築部長は2015~18年の期間に県発注の工事6件の契約があったと説明し、それぞれの工事の落札価格、予定価格、最低制限価格も示した。

 これに対し、仲里氏は「落札の金額と最低制限価格とに6370円しか差額がない工事がある」と指摘し、説明を求めた。上原土建部長は「予定価格と最低制限価格の範囲内で応札した業者の中で1番低い金額の業者と契約を結ぶ形でやっているので、当然落札者の価格は最低制限価格に近くなる」と応じた。

 さらに仲里氏は「県政策参与は県の四役と言われる立場。その照屋氏が参与を兼職で務めるわずか2年の間に6件の工事を請け負っており、一般論で言っていかがなものかと疑いを持たれても仕方ないのではないか」と問うた。
 これには謝花喜一郎副知事が「県政策参与は非常勤の特別職であり、照屋政策参与の役割に土木関連は入っていないので、議員が指摘するような疑いはなかったと考えている」と述べ、手続きの中で不適切な取引はなかったとした。

玉城知事「副知事として適任」

 新垣氏は、2005年に県発注工事を巡って企業176社に課徴金等が課された談合事件について言及。照正組が2件の工事に該当していたことを確認した上で、違約金額について質問した。
 これに対して、上原土建部長は照正組が2014年までに約6000万円の違約金を全て納付済であることを説明した。

 加えて新垣氏は、副知事人事の提案責任について玉城デニー知事に考えを問うた。玉城知事は「豊富な知識や経験から、副知事として適任との考えで提案した。これまで民間企業の経営にも携わった実務経験を生かして、コロナ禍で非常に厳しい状況にある県経済回復はもとより、各産業分野の施策を推進し、振興・発展に取り組むものと期待している」と応じた。


真栄城 潤一

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1985年生まれ、那覇市出身。
元新聞記者、その前はバンドマン(ドラマー)。映画、音楽、文学、それらをひっくるめたアート、さらにそれらをひっくるめた文化を敬い畏れ、そして愛す。あらゆる分野のクリエイティブな人たちの活動や言葉を発信し、つながりを生み、沖縄の未来に貢献したい、と目論む。

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