県内有効求人倍率、11カ月連続で全国最下位
- 2021/3/2
- 経済
沖縄労働局(福味恵局長)は2日、1月の有効求人倍率(季節調整値)は、前月比0.03ポイント上昇の0.77倍だったと発表した。全国平均は、同0.05ポイント上昇の1.10倍だった。県内の有効求人倍率は2カ月ぶりに上昇したものの、11カ月連続で全国最下位となった。
正社員に限った有効求人倍率(原数値)は、県内が前年同月比0.18ポイント低下の0.50倍、全国平均は同0.26ポイント低下の0.87倍だった。県内の完全失業率(原数値)は前年同月から0.6ポイント悪化の3.6%。
県庁で会見した福味局長は、沖縄の雇用情勢について「求人が増加したものの、求職の超過が続いており、厳しい状況にある。新型コロナウイルス感染症が雇用に与える影響に注意する必要がある」と説明した。その上で、「(国や県独自の)緊急事態宣言の影響は、予想したより規模は大きくなかった。今後も極端に悪くなる訳ではなく、このような状態がしばらく続くのではないか」と分析した。
さらに、「4月に向けて求職活動が活発化する。職業紹介や仕事の相談など、さまざまな支援活動を積極的に活用してほしい。事業者は、4月まで延長が決まった国の特例措置や県の措置などを活用し、雇用の維持に努めてほしい。中長期的な観点から人材を確保するため、求人を出していただきたい」と呼び掛けた。
有効求人倍率(原数値、受理地別)をハローワーク別に見ると、那覇所は前年同月比0.40ポイント低下の0.75倍、沖縄所は同0.36ポイント低下の0.67倍、名護所は同0.41ポイント低下の1.00倍、宮古所は同0.69ポイント低下の1.21倍、八重山所は同0.09ポイント低下の1.57倍。
新規求人数(原数値)は前年同月比17.7%減の9632人で、14カ月連続の減少。主要産業別では、医療福祉が同4.6%増の3482人、建設業が同0.9%増の638人となったが、宿泊業・飲食サービス業は同60.9%減の642人、卸売・小売業は同35.0%減の817人などとなった。
同労働局は「建設業は人手不足が続いており、高齢化も進んでいるため若年者の採用意欲が高い。宿泊業・飲食サービス業はGoToの停止や県独自の緊急事態宣言で営業時間短縮の要請があった影響等で減少した。運輸業・郵便業は貸し切りバスが新型コロナの影響で観光需要が減少していることから前年同月を下回った。卸売業・小売業は外出自粛等の影響が出たほか、安定所以外の媒体で募集している事業所があること等が求人を押し下げている」などと分析した。