スポーツ×各産業で新ビジネス 「可能性しかない」沖縄の強みとは
- 2021/11/13
- 経済
同社の強みは、前述の多角経営などでチケットやスポンサー収入に頼らない経営基盤を持っていることだ。ことし3月には国内のスポーツチームでは初となる、東京証券取引所が運営するプロ向けの株式市場「TOKYO PRO Market」への上場を果たした。
東北楽天、通年で沖縄とのつながり模索
東北楽天ゴールデンイーグルスのテーマは「プロスポーツキャンプを軸とした経済活性化・新たなビジネス創出」。沖縄県内でのキャンプ期間約1か月だけではなく、通年で沖縄とのつながりを維持しながらチームにも収益が上がる仕組みを模索している。さらには、キャンプ期間中の選手に対する効率的なリカバリー(回復)や、食や睡眠など長期滞在時の充実に向けた解決策も必要としている。
コロナ前は1試合の平均動員数約2万5000人を誇る人気球団は、訴求力も強く、マスコットキャラクターなどの保有コンテンツも豊富だ。本拠地の「楽天生命パーク宮城」は世界初の完全キャッシュレスを実現するなど、チームを傘下に持つ巨大IT企業・楽天グループの強みを活かしている。
沖縄のスポーツ業界「可能性しかない」
10月7日に行われた、エントリー企業向けのオンライン説明会では、スポーツ関連ビジネスに取り組む株式会社レジスタ(沖縄県豊見城市)の青田美奈COOが、沖縄のスポーツ業界について「一言でいうと可能性しかない」と言い切った。
沖縄の魅力として①青い海や温暖な気候を有する「地域資源」②アジア各主要都市に4時間以内で行け、約20億人の巨大マーケットの中心にある「地の利」③“質の高い論文ランキング”で世界第9位の学術機関・沖縄科学技術大学院大学(OIST)がある「知の基盤」―の「3つの(頭文字)『ち』」を挙げ「ポテンシャルを生かすことで大きな可能性がある」とした。
さらに青田COOは、キャンプなどでプロ野球9球団、Jリーグ20クラブが集まる沖縄のスポーツ施設が充実していることや、県行政が次期沖縄振興計画でスポーツ振興に力を入れることもプラスの風になっていることに触れ「スポーツ・ヘルスケアを観光、ITに次ぐ第三の産業に」と力を込めた。
沖縄はスポーツ×ビジネスの先進地となれるか
「INNOVATION LEAGUE SPORTS BUSINESS BUILD」は11月19、20日の沖縄開催の他にも、同5、6日に関西、12、13日に北海道、24、25日に中国の各地方で行われる。スポーツチームと各産業分野が共創するビジネスモデルの先進地に、沖縄はなれるのかどうか。地域に根差すからこそ持ち合わせるチームの視点や沖縄の地域独自性に注目が高まる。