沖縄の最高路線価、23年連続で那覇市久茂地3丁目の「国際通り」
- 2024/7/1
- 経済
沖縄国税事務所は1日、相続税や贈与税の算定基準となる2024年1月1日時点での路線価(1平方メートル当たり)を発表した。沖縄県内の最高路線価は、23年連続の「那覇市久茂地3丁目国際通り」で、価格は前年比3.4%上昇の150万円となった。
地価公示で評価員・代表幹事を務める不動産鑑定士の仲本徹氏は「昨年は5月に新型コロナに伴う行動制限が解除され、国内客を中心に観光客が大幅に戻って来た。国際通りを中心に、客足が戻って店舗需要が賃料が強含みになった」と説明した。
また、「店舗需要が戻ると雇用につながるので、所得環境が良くなって(住宅地の)購入意欲につながった。結果として、県全体で上がった」と述べた。
県内の標準宅地(商業地、住宅地、工業地含む)3246カ所を平均した変動率は、前年比5.6%上昇で全国2位となった。上昇は10年連続で、上げ幅も前年の3.6%から拡大させた。全国トップは、福岡県の5.8%上昇だった。都道府県庁所在地の最高路線価を比べると、那覇市は昨年に続き15位だった。
沖縄都市モノレール各駅では、4年ぶりに全地点で路線価が上昇。このうち、壷川駅では前年比16.1%、首里駅では同10.5%の高い伸びを示した。いずれも、観光需要の回復が影響しているとみられるという。
各税務署管内の最高路線価は、県内6カ所全てで上昇した。このうち、最も上昇率が高かったのは、宮古島税務署管内の「宮古島市平良字西里西里大通り」で、価格は前年比12.5%上昇の13万5000円だった。
宮古地区での上昇が顕著だったことについて、仲本氏は「数年来、ずっと上がっている。知名度も高い。(市街地)周辺にも需要が広がっている。地価が沖縄本島に比べて安いため、上昇率が高くなっている」と指摘した。
今後の県内路線価について、仲本氏は観光の回復を背景に「しばらく上昇基調が続くのではないか」と述べた。