オリオンビール決算、増収増益 コロナ禍から本格的に回復

 
記者会見で発言する村野社長(右)と亀田浩副社長=18日、那覇市

 オリオンビール(村野一社長)は18日、2023年度の決算を発表した。売上高は前年度比15%増の249億6100万円、経常利益は同19%増の31億2100万円で、増収増益を達成した。コロナ禍からの回復でビールなどの売り上げが伸びたほか、運営するホテルの業績も伸びた。

 村野社長は「取り引き先の多大なる協力と、社員の頑張りがあり、おかげさまで1年を無事終了でき、増収増益の結果を迎えることができた」と述べた。
 
 売上高のうち、酒類清涼飲料事業は同12%増の206億200万円。観光・ホテル事業は同23%増の43億5900万円だった。

 ビール類の売り上げ数量で約7割を占める県内では、コロナ禍が落ち着いたことで、業務用(樽瓶)の売り上げが前年度から10%程度伸びた。
 
 一方、県内の家庭用(缶)は売り上げに変動はなかった。ザ・プレミアムの発売効果があり、リニューアルしたオリオン・ザ・ドラフトも好調だが、酒税改正で値上がりとなった新ジャンルは減少した。
 
 県外での売り上げは同7%、海外は同14%、それぞれ増加した。売上高が伸びて、営業利益は前年度比25%増の31億6800万円と3年連続の増益を達成。経常利益も2年連続で増益となった。 

 当期純利益は減少したが、前期に計上した不動産売却益の反動減という特殊要因を除けば増益という。

伸びる海外での販売 地域の特性に応じた戦略 

 好調な海外市場での販売について、村野社長は「重点市場として台湾、オーストラリア、米国、香港、韓国を定めて販売強化を行っている」と述べた。

 台湾については、「6月にオリオンビアフェストを高雄市でやろうと思っている。台湾では、ほぼ沖縄と同じような環境でオリオンビールを楽しんでいただけるような仕掛けにしたい」と意気込みを語った。

 距離的に離れているが、日本食への理解度があるオーストラリアではメイド・イン・ジャパンの「沖縄・日本で作っているビール」として売り込むなど、地域の特性に応じて販売戦略を変えているという。

 24年度の決算については「原材料の値上げがあるが、県内事業の基盤を強化し、沖縄とオリオンの魅力を県内・海外に発信し、増収増益につなげたい」と力を込めた。

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