沖縄の景気判断「拡大基調」を維持 個人消費では節約志向も 日銀那覇支店

 
記者会見で発言する小島支店長=10日、日銀那覇支店

 日銀那覇支店(小島亮太支店長)は10日、2024年6月の県内金融経済概況(主要指数は4月)を発表し、沖縄の景気について「拡大基調にある」との判断を維持した。個別の判断も全て据え置いた。個人消費では全体として「緩やかに増加している」とする一方、物価高による消費者の節約志向も見られるとした。

 個人消費のうち、百貨店やスーパーの販売額(全店舗)は前年比プラス4.4%だった。シーミー向けのオードブルや、気温が高かったことに伴う夏物衣料品の販売が伸びたこともあって、堅調さを維持した。

 同支店では「良好な雇用所得環境を背景に、個人消費が緩やかに増加していくというメインシナリオを、現時点で変える必要はない」としている。

 ただ、物価高が続く中で相対的に安価なPB商品へのシフト、値上げした商品での販売数量の減少も見られたといい、「所得層によっては(個人消費が)苦しくなってきていることもうかがわれる」とも指摘した。

 観光については、「拡大基調にある」との判断を維持した。4月の入域観光客数は前年比11.9%増、主要ホテルの客室稼働率は65.8%で前年を上回った。旅行費用が上昇する中で、リゾートホテルに比べると安価な那覇市内のホテルで稼働率が69.7%と好調なほか、本島内のリゾートホテルの稼働率も改善したという。

 小島支店長は、「宿泊業は、客室単価を引き上げつつ一定の売り上げを確保している」と語った。観光のトップシーズンを控え、ホテルのブッキングペースは昨年を上回る伸びがあるとの声も聞かれるとした。

 ただ、2019年~22年にホテル客室数が2割弱増えており、リゾートホテルなどではブッキングペースの弱さから客室単価を引き下げる動きもあるという。同支店では、観光に関連する企業によってばらつきもあると分析している。

 今後について、同支店は「拡大基調が続くとみられる」との判断を維持した。


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