「丁寧に説明していく」 県政与党敗北で玉城知事

 
記者団の質問に応じる玉城知事=17日、沖縄県庁

 任期満了に伴い16日に投開票された沖縄県議選では、玉城デニー知事を支える県政与党系が20議席、野党・中立系が28議席を獲得する結果となった。県政与党系の敗北を受け、玉城知事は17日、県庁で記者団の質問に応じた。主なやりとりは以下の通り。

Q県政与党大敗という結果を受けて、県民の辺野古に反対する民意は弱まったのか。知事はどう受け止めているか。

A反対の民意は弱まっていないと思う。それぞれの議員が選ばれたのは、それぞれの地域の事情や政策を訴えたことへの有権者の判断。与党の議席を減らしたから民意が弱まったのかというと、それはあり得ないと思う。

Q県議選の結果について、改めて受け止めを。また、敗因どのように分析し、今後の県政運営にどのように反映させていくか

A敗因の分析はこれから、各社の報道なども参考にしながら、いろいろな地域事情や候補者の訴えが功を奏したのか、届かなかったのか分析したい。これからも、県民の福祉の向上と県政の振興発展、離島振興についても、従来と変わることはない。ただ、今までも丁寧にやってきたつもりだが、なお一層真摯(しんし)に丁寧に説明し、県政運営への理解を得ながら丁寧にやっていきたい。

Q今後、県議会は厳しくなると思うが、政策課題で懸念しているジャンルはあるか

A割と想定されるのは、いわゆる予算。どのような項目にどれだけの予算をつけ、どのように県政運営で必要かということについて、我々が十分説明をしないとその予算についての十分な理解を得ることはできないと思うので、そこを丁寧にやっていく必要はあるだろう考えている。

Q辺野古移設で、これまで国との対話を求めてきたが、県政野党との対話の重要性はどう考えるか

A野党との対話は、当然県民から選ばれた議員なので、常に行政と議会は対話で互いが問題、課題を解決していくことが本質だろうと思う。政府に対して、我々が求めているのは普天間の1日も早い危険性の除去だ。それにつながらない辺野古移設、環境に甚大な影響を及ぼす軟弱地盤の改良工事など、非常に不透明過ぎる。

 対話をしながら、どうやって解決しくのかを幅広に捉えていく必要がある。対話によって物事を解決する場の設定についても、引き続き要請していきたい。

Q翁長知事が、オール沖縄として2014年に知事になり、これまで知事と議会で民意をもって辺野古に対抗してきた経緯がある。10年目の今年、少数与党に転落したということで、この歴史的な観点から見て今回の敗北はどういう意味があると思うか

A私が判断するよりも、県民の皆さんがどう受け止めているかの話を聞いていく必要があると思う。我々の一方的な判断ではなく、県民がどのような思いでオール沖縄に対しての期待や、あるいは別の役割みたいなものを持っているのかは、我々だけの勝手な想像では、なかなか具体的につかめないと思う。

 県民の皆さんとの対話の機会を増やし、オール沖縄の問題だけでなく県政運営に係る課題や問題も浮き彫りにしながら、引き続き我々の県政運営に対し県民の理解を求めたい。そこにオール沖縄の課題も含まれてくるのではないか。

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