旧海軍司令部壕で遺留品特別展 10月に発掘、観覧無料

 

 一般財団法人沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)は「旧海軍司令部壕 地下未公開壕発掘遺留品特別展」を豊見城市の旧海軍司令部壕で実施している。2023年1月31日まで。ことし10月22日から30日にかけてボランティアのべ309人によって行われた発掘によって発見された多数の遺留品を展示している。

 旧海軍司令部壕では1952年から1977年にかけて大掛かりな遺骨収集作業を複数回実施してきたものの、壕内には未公開箇所が約150mあり、まだ発見されていない遺骨や遺品がある可能性があった。今回の発掘調査はこの箇所で行われたものだ。

 特別展では歯ブラシや陶器、キセルなどの日用品の他、沖縄戦に動員された旧日本軍の兵士の名前が書かれた「陸選隊編成表」も展示されている。

 OCVBは「戦争の風化が進む半面、世界情勢では戦争を身近に感じる事例も増えており、改めて平和の重要性を伝える内容として開催いたします」としている。

 発掘調査は特定非営利活動法人空援隊が主催した。収容した遺骨は戦没者遺骨収集情報センターに預けた。遺留品は旧海軍司令部壕事業所に引き渡され、小火器類は豊見城警察署に引き渡した後自衛隊によって処理された。

 特別展の観覧は無料。開館時間は午前9時から午後5時まで。最終入館は午後4時半。


長濱 良起

投稿者記事一覧

フリーランス記者。
元琉球新報記者。教育行政、市町村行政、基地問題の現場などを取材する。
琉球大学マスコミ学コース卒業後、県内各企業のスポンサードで世界30カ国を約2年かけて巡る。
2018年、北京・中央民族大学に語学留学。
1986年、沖縄県浦添市出身。著書に「沖縄人世界一周!絆をつなぐ旅!」(編集工房東洋企画)

この著者の最新の記事

関連記事

おすすめ記事

  1.  サッカーJ3のFC琉球が、第2次金鍾成(キン・ジョンソン)監督体制下の初陣を白星で飾った…
  2. 今季から琉球ゴールデンキングスに加入したアレックス・カーク(左から2人目)やヴィック・ローら=16…
  3.  FC琉球の監督が、また代わった。  サッカーJ3で20チーム中18位に沈む琉球は1…
  4. 戦前に首里城正殿前に設置されていたバスケットボールゴールを再現した首里高校の生徒ら=8月27日、那…
  5.  8月12日、浦添市のアイム・ユニバースてだこホール市民交流室は熱気が渦巻いていた。ステー…

特集記事

  1. 再びFC琉球の指揮を執ることになり、トレーニング中に選手たちに指示を送る金鍾成監督=19日、東風平…
  2. ヴィック・ロー(中央)の入団会見で記念撮影に応じる琉球ゴールデンキングスの(左から)安永淳一GM、…
  3. 沖縄県庁  沖縄県は、地域の緊張を和らげようと、4月から「地域外交室」を設置し、照屋義実副知…
ページ上部へ戻る ページ下部へ移動 ホームへ戻る 前の記事へ 次の記事へ