沖縄の人は掃除嫌い!…でも「得意になりたい」人も全国一 大掃除意識調査

 

 年末が差し迫ってきて「そろそろ大掃除の時期だな…」と感じ始めている人も多くなっている今日このごろ。

 株式会社ダスキンが全国の20歳以上の男女計4160人を対象に実施した「大掃除に関する意識・実態調査」の結果を発表した。調査は今年1月に行われ、昨年末の大掃除実施率が調査開始以来過去最低の51.8%だったという。ダスキンはコロナ禍も踏まえた衛生意識の変化に触れつつ「掃除する人・しない人の二極化が進んでいる」と分析している。
 また、同じ時期に実施した「掃除が好きな人・掃除が嫌いな人の生活・意識調査」の中で、「掃除が得意になりたい都道府県」の項目では沖縄県が1位。さらに「掃除の好き嫌い」についての質問では「掃除が嫌い」と答えた生活者の割合でも沖縄県が1位となり、“掃除は嫌いだが、掃除が得意になりたい”という人が多いという、興味深い結果が出た。

沖縄特有の「カビ」「水あか」も影響?

 掃除についての生活・意識調査で、「掃除が得意になりたい」「どちらかといえば得意になりたい」と回答した生活者の割合は全国平均で73.1%。1位になった沖縄県は85%で、全国平均を10%以上も上回っていた。ちなみに、2位は東京都(84%)で3位は福岡県(83%)となっており、数字はいずれも1ポイント差の“激戦”となっている。

 掃除の好き嫌いについては、「掃除が嫌い」と回答した割合は全国平均18.9%に対して、1位の沖縄県は30%となっている。次いで2位が大阪府(26%)、3位が京都府(25%)だ。

 こうした結果を受けて、ダスキンは沖縄県特有の「お掃除の悩み」として、高温多湿による「カビ」、そして硬水による「水あか」の2点を挙げて解説している。

 沖縄県内在住の人は体感で分かると思うが、沖縄県は年間の平均気温が全国で最も高く(23.8℃)、月平均の相対湿度は冬場でも70%弱、梅雨時期には80%を超える。本土だと梅雨や真夏の時期に月平均相対湿度が70~75%程度なので、沖縄は冬場でも本土の梅雨と同じくらいの湿度の時期もあるということだ。

 また、鏡や蛇口に付着する水あかについては、水道水の硬度について説明。日本の全表土の3分の1(平地の大部分)は火成岩土壌でできているため、カルシウムの含有量が少なくほとんどの地域の水が「軟水」となっている。

 一方で、沖縄本島の中・南部地域は石灰岩層から形成されてる影響で井戸水や地下水の硬度が高い傾向にある。特に地下水を水源とする地域の水道水は「硬水」になっており、水あか汚れがつきやすい特徴になっている。

大掃除満足度に20%のギャップが…

(ダスキン発表資料より)

 大掃除の実施率の調査では、調査開始以来最も低い実施率となったものの、実施した人の内訳ではコロナ禍で普段からの掃除時間・頻度が増えた人は、全体よりも20%近く大掃除実施率が高いという結果も出ている。

 コロナ禍前後の変化についてダスキンは、コロナ禍前までの調査では「普段の掃除をこまめに実施している人ほど大掃除実施率が低い傾向」で、コロナ禍後は「普段の掃除が増えた人ほど大掃除実施率が高い結果」と報告している。

 ちなみに、大掃除日の実施日で最も多かったのは12月30日。大晦日直前に済ませて、ゆっくり年を越したいという人たちが多いようだ。

 また、夫婦の大掃除分担実態と満足度の項目では、夫婦間の満足度に20%以上のギャップが出たことも明らかになった。

(ダスキン発表資料より)

 掃除した場所で見ると、夫は「窓・網戸」「浴室」、妻は「キッチン」「トイレ」が上位になっている。掃除場所の数の平均では夫が3.6箇所、妻は4.8箇所で妻の方が多く担当する傾向にある。

 そして、配偶者の大掃除への取り組みに対する満足度は、夫の妻への満足度は91.6%だったのに対して、妻の夫への満足度は68.7%となっており、夫婦間で22.9%のギャップが生じていた。妻が不満に感じている主な理由としては「積極的ではなかった」「担当箇所が少なかった」「汚れが落ちてなかった」の3つが上位に挙げられている。
 夫側はこの数字を念頭に入れて、今年の大掃除担当箇所を増やして念入りに掃除すれば、穏やかな年末年始を過ごせる…かもしれない。

 今年も残すところあと10日ほど。新年を気持ちよく迎えるためにも、大掃除は計画的に。

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真栄城 潤一

投稿者記事一覧

1985年生まれ、那覇市出身。
元新聞記者、その前はバンドマン(ドラマー)。映画、音楽、文学、それらをひっくるめたアート、さらにそれらをひっくるめた文化を敬い畏れ、そして愛す。あらゆる分野のクリエイティブな人たちの活動や言葉を発信し、つながりを生み、沖縄の未来に貢献したい、と目論む。

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