今こそ喜納昌吉② 39年ぶりの新曲は、なぜ突然演歌だったのか
- 2021/6/14
- エンタメ・スポーツ
「僕が北朝鮮行ったというのは、沖縄に伝わっている?あっちまで行って歌ったんだよ」
喜納は音楽の力で世界とつながってきた。「音楽は世界の共通語になれる。自由度が高いでしょう。音楽の次にダンス、それから言葉だね」と、沖縄に軸足を置きながら音楽で平和を発信し続ける。新曲のタイトルはもう決まった。喜納には珍しく、歌詞から先行して作ったという。「ロックに負けないロックだよ。皮肉を込めて『I love America』というタイトルで」
「まだまだたくさん歌にしないといけないことはあると思うよ」と話す喜納は「若い人たちには負けてられないから」と筋トレを欠かさずに続け、73歳になっても、背筋は伸び、おなかがポッコリ出ている様子もない。そして後続の音楽家にこうエールを送る。「僕を超えないと。僕を踏んで超えるぐらいの若者がいたら、応援するよ」
取材を終えると「これも参考にしてね」と、自身の半生をつづった本「喜納昌吉を知るハンドブック」をこちらに手渡した。裏表紙に黒のマジックペンでスルスルスルッとサインを書いて。サインには大きく「花」の文字。「すべての人の心に花を」―。喜納は繰り返す。「僕のことを笑う人もいるけどね、いずれみんな分かる時が来るよ。僕の言っていることが」