今こそ喜納昌吉② 39年ぶりの新曲は、なぜ突然演歌だったのか

 
北朝鮮側から韓国側を向いて、祈りをささげる喜納昌吉=2019年9月18日、板門店(本人提供)

 「僕が北朝鮮行ったというのは、沖縄に伝わっている?あっちまで行って歌ったんだよ」

 喜納は音楽の力で世界とつながってきた。「音楽は世界の共通語になれる。自由度が高いでしょう。音楽の次にダンス、それから言葉だね」と、沖縄に軸足を置きながら音楽で平和を発信し続ける。新曲のタイトルはもう決まった。喜納には珍しく、歌詞から先行して作ったという。「ロックに負けないロックだよ。皮肉を込めて『I love America』というタイトルで」

 「まだまだたくさん歌にしないといけないことはあると思うよ」と話す喜納は「若い人たちには負けてられないから」と筋トレを欠かさずに続け、73歳になっても、背筋は伸び、おなかがポッコリ出ている様子もない。そして後続の音楽家にこうエールを送る。「僕を超えないと。僕を踏んで超えるぐらいの若者がいたら、応援するよ」

 取材を終えると「これも参考にしてね」と、自身の半生をつづった本「喜納昌吉を知るハンドブック」をこちらに手渡した。裏表紙に黒のマジックペンでスルスルスルッとサインを書いて。サインには大きく「花」の文字。「すべての人の心に花を」―。喜納は繰り返す。「僕のことを笑う人もいるけどね、いずれみんな分かる時が来るよ。僕の言っていることが

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長濱 良起

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フリーランス記者。
元琉球新報記者。教育行政、市町村行政、基地問題の現場などを取材する。
琉球大学マスコミ学コース卒業後、県内各企業のスポンサードで世界30カ国を約2年かけて巡る。
2018年、北京・中央民族大学に語学留学。
1986年、沖縄県浦添市出身。著書に「沖縄人世界一周!絆をつなぐ旅!」(編集工房東洋企画)

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