祈りと願いを舞台化した神楽の舞 烏丸ストロークロック公演「祝・祝日」

 

 小ぶりのシンバルのような和楽器「銅拍子(どうびょうし)」が作り出す一定の甲高い音に、木桶にくくりつけた弓の弦を叩く不思議な楽器の打音が混ざって生まれる律動。そこにチェロの旋律とノイジーな装飾音が絡む中で、激しく身体を動かして一心不乱に踊る舞手たち。

 去る5月16日、那覇市のアトリエ銘苅ベースで京都の劇団・烏丸ストロークロックによる初の沖縄公演『烏丸ストロークロックと祭 祝・祝日』が上演された。東北各地の土着芸能である神楽をひたすらに舞い、「祈り」と「願い」の行為と場を共有する試みだ。前日の15日に公開ゲネプロが行われ、その様子を取材した。

日常から解放されるエネルギー

「普段の暮らしでは当たり前のように頭を使ってますが、舞台で必死に身体を動かして舞い続ける俳優に対峙した時、日常から一旦離れて、頭が解放される。舞のエネルギーには人を無条件に感動させるものがあると思うんです」

 こう語るのは烏丸ストロークロックの代表で、劇作と演出を手がける柳沼昭徳さん。劇団が神楽の研究と実践に取り組んだのは、東日本大震災被災地の取材をする中で神楽団に出会ったのがきっかけだったという。始めは演劇の中に入れ込んで上演していたが、長い歴史と奥深さを持つ神楽そのものと向き合い深化していくため、内容のアップデートを重ねながら現在の公演は神楽の舞のみのパフォーマンスとなっている。

 公演では、5つの演目が次々と披露された。神を降ろすために場を清める「鳥舞」では2人の女性の舞手が流麗でしなやかに舞い、続く「三番叟」では老人の姿をした“もどきの神”がコミカルな動きを見せ、この演目中には“ご当地アレンジ”で琉球音階に寄せた旋律での伴奏もあった。3番目は男性2人が弓矢を放って魔を払う「八幡舞」で、次いで五穀豊穣を助ける「山の神舞」。そして、祝詞に合わせて速さと複雑さと荒々しさを最も激しい動きで体現する「諷誦の舞」が最後を飾った。

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