SNSで成功するためにすべきこと 沖縄のこれからのブランディング(2)

 

「取り組まなければ淘汰される」

 終盤では「本当に集客できるのか」「SNS発信しているが反響が感じられない」「企業もSNSに取り組むべきか」といった視聴者からの質問に答えた。

 集客については園田さんが「率直に言うとSNSだけで全然できる」と断言。ただし、あまりにも多くの人に向けて情報を発信すると内容がぼやけてしまうので「逆に1人だけに向けた内容にすると、多くの人が振り返ることもある」と添えた。
 今井氏は「自分の伝えたい気持ちが強くて思いがこもり過ぎると“濃く”なってしまいがちなので、自分がしたためたものを1度客観的に見ることが必要だ」と付け加えた。

 反響に関しては「自分の店の客層がSNSを利用しているかどうかを調べることが先ず基本」と園田さん。客層が50~60代のブティックがインスタグラムをしたが、登録を促しても来店率が上がらない事例があったという。
 「発信者と客層に齟齬があると反響がある可能性は限りなく低い。今だと、50代以上が使っているスマホにでも最初からLINEがアプリとして入っているので、そこに向けて発信するなど、ターゲットが使用しているSNSツールをきちんと把握することから始めなければならない」

 今井氏は「ファミコンをやっている人にニンテンドースイッチの話をしているようなものです」と例え、「どういう層から、どんな反響がほしいのか。SNSでは認識のズレが大きいケースも多い。問題の所在を明確化することで、すべきことが見えてくる」と助言した。

 企業のSNSへの取り組みについては、2人とも「すべき」と言い切った。

 「新しいお客様や、パートナーとの出会いの場として機能する。むしろ、今取り組まなければ淘汰されてしまうことになる」(園田さん)

 「絶対にやらないといけない。グーグルさんとツイッターさんに自分を覚えてもらう作業だと思って取り組んでみては」(今井氏)

 まとめでは、園田さんがSNSで成功するためにすべきことについて、以下の5点を挙げた。

 ①お客様に興味を持つ(使っているSNSを知る)
 ②お客様の気持ちに寄り添う(悩みは?ニーズは?)
 ③情報発信をする(頻度が高いほど単純接触回数が増加)
 ④価値ある情報を提供する(信頼関係の構築)
 ⑤価値ある情報をとにかく発信する(ファン化)

 視聴者からの「沖縄の企業がSNSをあまり使っていないという現状は、逆に言えば伸び代があるということでは」というコメントを受け、今井氏は「正にその通りだと思う。やりたくなければやらなくてもいいし、やりたいのであれば次のステップに進むことだ」と語った。
 その上で「SNSでの取り組みは疲れることもたくさんある。でもどうせ疲れるなら、誰かのために、社会のためにという大義名分があった方がいいし、それは自分の人生のブランディングにもなる」と締めた。

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真栄城 潤一

投稿者記事一覧

1985年生まれ、那覇市出身。
元新聞記者、その前はバンドマン(ドラマー)。映画、音楽、文学、それらをひっくるめたアート、さらにそれらをひっくるめた文化を敬い畏れ、そして愛す。あらゆる分野のクリエイティブな人たちの活動や言葉を発信し、つながりを生み、沖縄の未来に貢献したい、と目論む。

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