【文字で詳報】音声特番で県知事選振り返る 各界若手ゲスト6人

 

 教育行政と現場の両面から語る嘉数さんは「佐喜眞さんが『子ども特区』、下地さんが『大学や専門学校までの完全無償化』というインパクトある言葉を打ち出してきました。玉城県政の教育関連施策を、良い意味で対立候補がつついてきて、教育分野の議論が盛り上がるのではという期待はあった」と振り返ったものの「思ったようには盛り上がらなくて残念だったのが正直な感想です」と述べた。

 関連して、保育分野の立場から當銘さんは「佐喜眞さんが『子ども特区』を打ち出してくれたのは嬉しかったですが、内容としては『子ども特区という名の保護者支援』でしかなかったというか。各候補者の公約を見た時点で、知事選に対しての興味が3分の1ぐらいに薄れてしまいました」と率直な意見を述べた。「子どもたちに対して直接的な支援がまだ全然ありません」と話す當銘さんは、神奈川県と沖縄県の行政対応の違いに触れながら「職員の数や、虐待発見に対する意識などが全然違います」と、保育現場からの実感を語っていた。

兼島さん「今回も出馬しようとしていた」

 4年前の知事選に出馬経験のある兼島さんは「今回もギリギリまで出馬しようとしていました。告示の1週間ぐらいまで」と明かした。スケジュールや資金の都合で最終的には出馬に至らなかったものの、政党や政治的立場で対立を続ける地元を見つめながら「しがらみのない沖縄を作りたい」との思いを持ち続けている。泡沫候補と言われても過去の知事選に立候補した理由を「音楽業界でいうところの『PIZZA OF DEATH』(人気バンドHi-STANDARDが自ら立ち上げたインディーズレーベル)を作りたかったんですよ。ちょっと前までは大手音楽レーベルのオーディションを勝ち抜いてからしかデビューはできませんでした。政治の世界で『俺らでもできるじゃん』と思わせるような新しい選択肢を作れたらと思っています」と展望する。

 これに関連して宮原さんは「政党政治とは違う形で、個人として思いを世に問う人たちが何を訴えているのか聞いた上で、そこに賛同できる人が集まるのだったらそれはそれで大事なことです。そういった人の声も、政党の人と同じように評価したいです」と、立場や組織の大小に関わらずフェアな視点で有権者としての判断を下すことの意義を説いた。

嫌気差すネガティブキャンペーン、今回も

 モバイルプリンスさんは全国からの注目度も高い沖縄県知事選について「支持者の間で、意図してかしていないのか、嫌気がさすようなネガティブキャンペーンも広がっている部分もありました」と指摘。玉城氏の4年前の演説内容が一部のみ切り取られてSNSで拡散された件については、内容以前の問題として「4年前の主張を、いかにも今回の選挙戦で喋ったかのようにしている時点で、政党や候補者を問わずアンフェアです」と語った。

 選挙活動にインターネットを活用したいわゆる“空中戦”について、下地氏が出馬表明や政策発表をネット上で行うなど、これまでの選挙戦とは違う形でネット活用をしていたことにも触れながら「10代からの得票率が他の年代よりも少し上回っている傾向がありました」とし、戦術の効果も含めて注目を向けていた。

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長濱 良起

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フリーランス記者。
元琉球新報記者。教育行政、市町村行政、基地問題の現場などを取材する。
琉球大学マスコミ学コース卒業後、県内各企業のスポンサードで世界30カ国を約2年かけて巡る。
2018年、北京・中央民族大学に語学留学。
1986年、沖縄県浦添市出身。著書に「沖縄人世界一周!絆をつなぐ旅!」(編集工房東洋企画)

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