琉球キングスCS目前! 初優勝への推進力をブーストする「キングスダンサーズ」の覚悟に迫る

 

会場全体で喜びを共有する瞬間

試合中、コートサイドにいる時もダンサーズは常に踊り続けている

「試合そのものや選手の皆さんのプレイ、そして会場の雰囲気の中でいつも『キングスって沖縄とこんなに寄り添っているチームなんだ』という気持ちになります」というSuzuさんは、試合のたびにチームから「私たちも元気だったり、勇気だったり、諦めない力をもらっています」と噛みしめる。「その感謝の気持ちというか、恩返しの意味もダンスに込めてパフォーマンスしています」と溢れんばかりの思いを口にする。

 ダンサーズは試合の合間のコート上でのパフォーマンスだけでなく、試合中のコートサイドでも休み無く踊って選手と観客に「パワー」を送り続けており、その意味ではほぼ2時間のステージに立っているとも言える。ファンとともにゲームの行方を見守り、会場の空気感と感情を共有するのも醍醐味の1つだ。

 Suzuさんは「チームが1番盛り上がる瞬間に、お客さんも選手の皆さんも一緒になって同じ気持ちで喜べる体験は会場にいないと共有できません。その瞬間を味わえるのがやりがいの1つです」と声を弾ませる。

 ホーム会場がリーグ最大級の動員数を誇る沖縄アリーナになり、観客のキャパシティが大幅に増えた。それに伴ってパフォーマンスそのものやメンタル面に与える影響はあるのだろうか。

最上階の5階席から見ていても、彼女たちが発するエネルギーは十分に伝わってくる(長嶺真輝撮影)

 Chinamiさんは「1番遠くのお客さんまでパワーを届けるという基本的なことは、前の沖縄市民体育館の時から変わりません。でも会場が大きくなったので、やはり踊りの動作をより大きく見せるように、そして遠くの人に視線を送ることも常に意識してます」と語る。

 パフォーマンス中はコート頭上に設置される大型ビジョンにも映像が流れる。「かなり大きく映るので、普段のトレーニングでも鏡で表情の確認をしながら、見られているということを前提により一層気合を入れていますね」(Chinamiさん)

テーマは「フレッシュさ」

 パフォーマンスの指揮を執るディレクターのHirokaさんは、キングスダンサーズのテーマと強みを「フレッシュさ」と表現する。「選曲や振り付けも、元気を与えるようなフレッシュな印象でまとめています」

 自身もダンサーズの一員として7年間コートで踊っていた経験から、ダンサーたちとは感覚レベルでの“共通言語”がある。リハーサルでの指導やメンバーとのやりとりの様子からは、互いの強固な信頼関係とストイックな姿勢が見て取れた。

「キングスが強豪チームとして飛躍し、沖縄アリーナが出来てさらに注目度が上がってきている中で、ダンサーズの質も当然高めていかないといけません。今シーズンのダンスではそれぞれの実力を最大限発揮させつつ、同時に個性も際立たせるという方向性で磨きをかけています」

自身の身体も動かしながらダンスを教えるディレクターのHirokaさん(左端)(真栄城潤一撮影)

 そんなHirokaさんの薫陶を受ける3人のこだわりをそれぞれ聞いてみた。

曲と振り付けに込められた思いをパフォーマンスで届けるということを常に大切にしています。ダンスにのせて届けたいメンバーの思いを、1人だけではなくて、皆の思いを感じながらコートで踊っていますね」とChinamiさん。

 Sakiさんは「Hirokaさんの振り付けは曲によって表情や動きの表現に色んなバリエーションがあるので、そこをしっかり体現できるようにしています」と説明する。ダンサーズの中で「1番小さい」という身長のアドバンテージがあるが、髪の毛の動きで動作全体を大きく見せる「ヘアエフェクト」を1つの武器にして「自分自身に落とし込んで踊っています」。

「13人のメンバーが揃ってユニゾンした時の迫力や、フォーメーションや振り付けの1つ1つの動きに皆が責任を持って踊っているんです」とダンスの見所を話したSuzuさんは、「ボードパフォーマンスで、1人1人のお客さんと目を合わせながら、特に盛り上がっている時には自分も一緒に最大限に楽しみます」と笑顔で話した。

「GO KINGS!」と書かれたボードを手に、客席に満面の笑顔を振りまく(長嶺真輝撮影)

「優勝の瞬間を見届けたい」

 レギュラーシーズンを超える熱気が予想されるCSに向けて、ダンサーズはどんな気持ちでパフォーマンスに臨むのか。3人の口からは度々「優勝」というワードも飛び出した。

「選手の皆さんからも『優勝』という言葉が今シーズンは常に聞こえてきます。優勝を目指すチームの勢いに相応しいチアのために練習に励んでいます」とSuzuさん。「私たちはダンスを通してキングスを後押しする立場にいるので、これからまた私たちにしかできないことを担いたい。最後の最後まで気を引き締めて支えていきたいです」と気合十分だ。

 Chinamiさんは「苦しい時こそ私たちが応援の先頭に立って、諦めずにどんなときでも選手の皆さんを後押ししたい」と力を込める。「そのためにも、勝利に突き進んでいくチームの強さに見合ったパフォーマンスができるように気を抜かずに練習していきたいです」。

揃ったダンスで客席を魅了する(長嶺真輝撮影)

「『優勝』をキーワードに感じている日々です。CSで厳しい戦いが続く中で、どんな状況であってもダンサーズとしては凛として諦めない姿勢で臨みたいですね」と意志の強い眼差しを見せるSakiさん。「ダンスはもちろん、ボードパフォーマンスも含めて、全ての表現をもって応援のトップに立って会場を引っ張っていけたらいいと思います。そして、まだ見たことのない優勝の瞬間を見届けたいですね」。

 Bリーグ初制覇に向けて突き進むキングスの選手たちと並走するように、ダンサーズのメンバーも熱い思いを抱えながらパフォーマンスを日々ブラッシュアップさせている。これまで培われてきた球団の強さに加えて、彼女たちの熱い思いとダンスで後押しされたチームのたどり着く先を早く見たい。

■関連リンク
琉球ゴールデンキングス WEBサイト
B.LEAGUE 公式サイト

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真栄城 潤一

投稿者記事一覧

1985年生まれ、那覇市出身。
元新聞記者、その前はバンドマン(ドラマー)。映画、音楽、文学、それらをひっくるめたアート、さらにそれらをひっくるめた文化を敬い畏れ、そして愛す。あらゆる分野のクリエイティブな人たちの活動や言葉を発信し、つながりを生み、沖縄の未来に貢献したい、と目論む。

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