参院選沖縄選挙区予定候補・古謝氏インタビュー 思いや政策は?

 

―沖縄県の課題についてはどうお考えですか。

「中長期的な目線で言うと、沖縄振興の特別措置とどう向き合うのかということです。活用も大事ですが、沖縄が自立することも大事です。ずっと今のままが続けば良いということでは決してありません。日本復帰から半世紀が経っているわけです。もちろん沖縄の置かれた特殊事情は考慮しなければなりませんが、『自立とは何か』ということを本気で考える時期に来ていると思います」

―自身のFacebookで「よりよい沖縄の実現」について言及していました。

「沖縄は非常に将来性があります。全国で唯一人口が増加しています。以前勤務していた長崎県では、人口のピークが1960年なんですよ。1960年ですよ、衝撃的ですよね。このように、多くの地方は人口が減り続けています。例えば、毎年1万人減っていく人口をどう5000人減に食い止めるか、といった政策を打ち出しているわけです。それに比べて沖縄は、人口が増えているというプラスの要素があるのに、それを活用してさらに発展させていくということがあまりできていないのではという印象があります。それは非常にもったいないと思います。沖縄県出身者も移住者も、みんな含めていろんなチャレンジをしていけるように促進していきたいですし、沖縄の魅力や可能性が磨かれていく沖縄こそが『よりよい沖縄』なのではないかと思います」

―政治家としての活動の場を、国政に選んだのはどういった理由からですか。

「自分が今一番力を発揮できるのは、国政であると思っています。これまでずっと国の中枢と地方の現場で働いてきていますので『国のどこにどう働きかければいいか』や『この点は他県と比べてどうか』といったことをよく分かっているのが強みです。そういった経験やネットワークを生かしながら沖縄の課題に取り組んでいく場としては、国政というポジションが力を出すには最も適していると思います」

―東大出身のキャリア官僚経験者という経歴が注目を集めています。

「中央省庁の職員だった人間が政界に行く、というのはこれまで沖縄では見られなかったのですが、全国的にはそれなりに前例があります。そのような先輩も何人かいらっしゃいますので、私としてはこのことを特に意識してはいません。沖縄で政治をやってきたわけではなく、知名度はどうしても劣りますので、東西南北、離島も含めてしっかりといろんなところに足を運んで、多くのみなさんからお話を伺うとともに、自分の考えを伝えていきたいと思っています」

古謝玄太(こじゃ・げんた)
2008年、総務省入省。内閣官房副長官補室、長崎県財政課長、復興庁参事官補佐などを歴任。2020年からの民間シンクタンク勤務を経て現在に至る。東京大学薬学部卒。1983年、那覇市生まれ。

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長濱 良起

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フリーランス記者。
元琉球新報記者。教育行政、市町村行政、基地問題の現場などを取材する。
琉球大学マスコミ学コース卒業後、県内各企業のスポンサードで世界30カ国を約2年かけて巡る。
2018年、北京・中央民族大学に語学留学。
1986年、沖縄県浦添市出身。著書に「沖縄人世界一周!絆をつなぐ旅!」(編集工房東洋企画)

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