「映画祭が戻ってきた」宮川たま子さんインタビュー 沖縄国際映画祭
- 2022/4/16
- エンタメ・スポーツ
映画のみならず、音楽、お笑い、アートなどさまざまなコンテンツが楽しめる祭典「島ぜんぶでおーきな祭 第14回沖縄国際映画祭」(主催・同実行委員会、運営・株式会社よしもとラフ&ピース)が16日、那覇市の国際通り周辺や桜坂劇場など県内各地で開幕した。17日まで2日間の日程で行われるこの映画祭では、コロナ禍で中止となっていたレッドカーペットが3年ぶりに実施される予定で、国際通りに華々しさが戻ってくる。
今回の開催について、同映画祭の「宣伝芸人」で沖縄41市町村全力応援芸人のキャプテンを務める宮川たま子さんに話を聞いた。沖縄県浦添市出身のたま子さんは沖縄の日本復帰50周年となる節目の年の開催に「映画祭を通して、沖縄の笑いの歴史をつないでいくことに使命を感じています」と意気込んでいる。
―今回で沖縄国際映画祭も14回目を迎えました。
「第1回目の開催当初は『吉本が開催するお祭り』という感じだったんですけど、4年目あたりからは、各地域のみなさんも『吉本さんだけではなく自分たちの町は自分たちで盛り上げよう』という動きが出てきました。今は県内41市町村すべてに“全力応援芸人”がいて、一緒になって動いています。私も今回、離島には行けなかったんですけど、プロモーションやあいさつで本島内の26市町村を全部回りました。地域のみなさんも開催を楽しみにしてくれています」
―3年ぶりにレッドカーペットが再開されますね。
「すごいですよね。去年一昨年の沖縄国際映画祭ではレッドカーペットがなかったので盛り上がりに欠けた部分もあったと思います。レッドカーペットがないとまるで映画祭も開催されていないような雰囲気をこの2年間感じていたので、再開はうれしいです。コロナ前は例年4~5万人の動員があったんですが、今回はコロナ対策で600人に限定しています。コロナ禍でこのままレッドカーペット自体がずっとなくなってしまうのではないかという空気も感じるほどでしたので、一歩前進できました」
―今回の開催では少しずつコロナ前の賑わいも取り戻しつつあります。宣伝芸人として県内各地を回ってみて、一昨年や昨年とはみなさんの反応も違いますか?
「全然違いますね。コロナ禍に入ってからは人を集めきれずに、パネル展ぐらいしかできない状況が続いて、だいぶ雰囲気が落ち込んでしまいました。応援芸人も地域のみなさんと映画祭を一緒に作りたいのに、何をどう協力していけばいいのか手探り状態で。笑いの仕事なのに、笑いがなかったんですよ。今回もどのような形での開催になるか不安な部分がありましたが、コロナ対策も万全にして、吉本側の判断で規模を広げた開催に踏み切ることができました。やると決まった時から地域の盛り上がりもかなり違いました。映画祭が戻ってきたなという印象です。てんぶす那覇前の特設ステージを見て、懐かしい気持ちになりました。『やっぱこれだよね』って感じです」
―笑いや元気を提供する吉本さんだからこそのイベントとも言えます。
「東日本大震災が起きた年に、イベントの自粛ムードがあって、映画祭開催の是非が議論されたこともあったんですが、その時に吉本が開催に踏み切ったことで全国的にもイベントが少しずつ広がっていったということがありました。今回の開催も、感染対策もしっかりした上で自分たちの町を盛り上げていけるような空気感が育っていけばと私は思っています。映画祭の名称が『島ぜんぶでおーきな祭』なので、各市町村にいる全力応援芸人も一緒になって地域を盛り上げていきたいと思います」
―沖縄の日本復帰50年の節目の開催となりました。
「戦争が終わって笑顔を失くした人々がいた中、小那覇舞天さんのお笑いで沖縄の人々が元気を取り戻してきた時代があって、今につながると思うんです。戦後の混乱した時代から考えると、今この時代に映画祭を通してその歴史をつないでいけることをうれしく思います。復帰から50年経った今も『エンタメで沖縄を盛り上げる』ということが私たちの使命だと感じています。おじいおばあが今もずっと笑っていられるように、そして私もおばあになった時に笑っていられるように頑張っていきたいと思います。復帰50周年にちなんで沖縄の映画もたくさん上映されます。『ラフ&ピース(笑いと平和)』がコンセプトの平和の祭典として、未来につながる映画祭になってきているなぁと感じています」
―最後にみなさんに呼び掛けのお言葉をお願いします。
「今回で14回目ですが、目指せ100回という気持ちです。100年続いたら200年続くものになるはずです。沖縄からお笑いを発信できるということで、沖縄の魅力や地域のみなさんの魅力を発信できるよう頑張りますので、みなさんに遊びにきてもらって、ぜひ笑って帰ってほしいです」