部活動の「暴力・暴言・ハラスメント」実態は?沖縄県教委が調査

 
沖縄県庁

 沖縄県教育委員会保健体育課はこのほど、県立学校の部活動における暴力・暴言・ハラスメントの実態を把握する調査の結果を公表した。設問のうち「暴力・暴言・ハラスメントが解決されていない」と回答したのは管理職で27人中1人(3.7%)、指導者で19人中2人(10.5%)に過ぎなかったのに対し、部員では225人中173人(76.9%)、保護者で115人中90人(78.3%)に上った。比率の差は極めて大きく、部員・保護者が感じる暴言などの実態を管理職や指導者が自覚できていないことが浮き彫りとなった格好だ。

県立学校75校が対象

 調査は2021年4月から同11月の出来事が対象で、県立学校のうち中学校と、部活動のない特別支援学校を除く75校(全日58校、定時10校、特支7校)の学校管理職、部活動指導者、部員、部員の保護者に対してインターネットを利用して行われた。回答期間は21年12月6日から22年1月14日まで。

 調査数は56,791人で、そのうち回答したのは15,088人。回答率は26.6%だった。回答者の内訳は、管理職が152人(回答率88.4%)、指導者が2,332人(同45.8%)、部員が9,084人(同34.4%)、保護者が3,520人(同23.6%)。

 全体の回答率は、前回2020年度調査時の31.7%と比較して5.1ポイント減少した。

部員の2.5%「暴力・暴言・ハラスメント受けた」

 「部活動で暴力・暴言・ハラスメントを受けたことがあるか」との問いには、部員の2.5%が「ある」と回答、前回2020年度調査から0.5ポイント上昇した。内容として、その内の67.5%(複数回答可)が暴言を挙げており、次いで、無視(15.3%)、暴力等(13.3%)、セクハラ(3.9%)と続いた。

 「部員・保護者などからの暴力・暴言・ハラスメントの訴え」について、管理職の17.3%、指導者の0.8%が「あった」と回答した。その内、管理職の24.4%が「教職員と連携して対応した」とし、指導者の42.3%が「管理職や他教職員と連携して対応した」と回答した。

 「指導者との信頼関係」について、部員の側からは「強く感じる・感じる」の合計が79.5%で「あまり感じない・感じない」の合計が20.5%となった。

 「部活動に関する悩み」(複数回答可)について、部員は「特段悩みはない」としたのが53.8%で最多だった。前回調査よりも5.0ポイント上昇した。その一方で、悩みとして「部活動指導者からの私用の携帯電話等からの連絡・指示が多い」と回答した部員が0.8%見られた。

 県教委は私用の携帯電話を部員への連絡に使わないよう定めているが、指導者のうち「遵守している」のは37.4%だった。ただ、前回20年度調査と比較して8.0ポイントの改善が見られた。「頻繁に使用している」は5.2%、「使用してはいけないことを知らなかった」は3.7%だった。一方で「(順守を)心がけているが、緊急の場合は私用の携帯電話等を使用する場合もある」としたのは53.7%と最多で、ルールと現実的な対応との間に一定の乖離が見られた。

県教委「勝利至上主義に陥らないよう、指導助言」

 県教委は本調査の結果を踏まえて2022年度を「暴力・暴言・ハラスメント『ゼロ元年』」として位置付けている。学校現場では県教委との密な連携や研修の実施などで改善を図り、県教委としては運動部活動強化指定校を巡回訪問し「勝利至上主義に陥らないよう、指導助言していく」などとしている。

Print Friendly, PDF & Email

長濱 良起

投稿者記事一覧

フリーランス記者。
元琉球新報記者。教育行政、市町村行政、基地問題の現場などを取材する。
琉球大学マスコミ学コース卒業後、県内各企業のスポンサードで世界30カ国を約2年かけて巡る。
2018年、北京・中央民族大学に語学留学。
1986年、沖縄県浦添市出身。著書に「沖縄人世界一周!絆をつなぐ旅!」(編集工房東洋企画)

この著者の最新の記事

関連記事

おすすめ記事

  1.  10月1日、株式会社プロアライアンスと琉球朝日放送株式会社(QAB)が協同して構築した、…
  2.  「久しぶりー!」「元気だったー!?」と、賑やかな声が飛び交う。10月2日に開催される「沖…
  3.  安室奈美恵、MAX、DA PUMP、SPEED、知念里奈、三浦大知…沖縄発で今現在も大活…
  4.  感染者数は依然として収束を見ないが、「ウィズコロナ」の広がりから徐々に国内からの入域客数…
  5.  サッカーJ2のFC琉球が、いよいよ崖っぷちに追い込まれた。  琉球は9月18日、沖…

特集記事

  1.  敵味方、民間人、軍人、国籍問わず、沖縄戦などで死没した全ての人々の氏名を刻む「平和の礎」…
  2.  2022年“選挙イヤー”の沖縄で最大の政治決戦となる9月11日の県知事選は、米軍普天間飛…
  3.  今年で本土復帰から50年の節目を迎える沖縄。9月11日には14回目の県知事選挙が行われる…
ページ上部へ戻る ページ下部へ移動 ホームへ戻る 前の記事へ 次の記事へ