- Home
- 暮らし・教育・子育て
- 沖縄にも広がる車いす歓迎店舗の「心のバリアフリーステッカー」
沖縄にも広がる車いす歓迎店舗の「心のバリアフリーステッカー」
- 2022/4/10
- 暮らし・教育・子育て
車いす利用時の段差など“環境的バリア“があっても、人々の心配りやサポートにより解消しようとする意志のあるお店の目印として、愛媛県で300店舗以上に広がっている「心のバリアフリーステッカー」が、沖縄にも広がりつつある。県内第1店舗目となったのは、沖縄市のシアタードーナツ(宮島真一オーナー)。理学療法士の島袋みちるさんと車椅子トラベラーの三代達也さんらが県内での普及を目指して活動している。
沖縄に広めたい心のバリアフリーステッカー
心のバリアフリーステッカーは、環境的なバリアフリーが整っていなくても、ゆいまーるや心配りでバリアを解消しようとするお店に広まっている。例えば、段差などがあっても、お店の人が手伝いをすれば中に入れるお店や、お店に入ることができなくてもテイクアウト等で快く対応してくれるお店などがそうだ。
みちるさんは、脳卒中で車椅子生活となったステッカー製作者の雅代さん(東京都在住)の取り組みから影響を受けた。
「バリアフリーを考えるとき、つい環境から整えなくてはと思ってしまいがちなところを、ちょっとしたお手伝いや、お店の方から歩み寄るなどの人と人との関わりで乗り越えられるかもしれない。このステッカーが目印となって、『もしかしたら利用できるかも』という希望がもてることは、車椅子ユーザーにとって一歩踏み出す勇気になり、社会との交流の大きなきっかけになる」と話し、社会への浸透を目指す。
「ゆいまーるの見える化」で意思表示
みちるさんは、障害を持った人々のお店選びの現状を「一度障がいを抱えた途端、そのお店がバリアフリーかどうかを事前に検索するのが当たり前になり、バリアフリーじゃなかったら諦めるのにも慣れている。行けそうなお店であっても、お店に電話で確認(予約)して、お腹が空いている時間じゃなくて、お店が空いている時間に行く」と話す。
勇気を出してアポ無しで行ってみたとしても「断られたら嫌だな」「受け入れてくれたとしてもお店の方やお客さんに迷惑かけるしな」「バリアフリー対応のお店でも付き添いを依頼した方に面倒かけるしな」と感じている人も多い。
その結果、「やっぱりやめとこう」と妥協して、行きたいお店ではなく、バリアフリー情報サイトの中からお店を選ぶか、外出すら諦めるというループになることが往々にしてあるという。
一方、車椅子トラベラーの三代さんは、「車椅子ユーザーは、段差があるお店に出くわすと、ここは入れるかなと躊躇してしまう。聞いて断られるのも嫌だから結局整ったお店に入ることが多い。その時、こんなステッカーがあれば『あれ、段差あるのにこんなモノが貼ってあるということは入れるのかも』と少し声がかけやすくなると思う」と話す。
沖縄で一番好きな言葉は、「ゆいまーる(助け合い)」といい、「ゆいまーるの見える化によって、一人では入れなさそうなお店も入りやすくなる。お店の選択肢が増えれば」と活動に意欲を燃やす。