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子どもたちの心に創造力の種を蒔く 沖縄発の演劇プログラムを試演
- 2021/11/12
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「沖縄の子どもたち向けの演劇」を制作するプロジェクトを手掛ける一般社団法人「おきなわ芸術文化の箱」が、10月31日に「沖縄発・子ども演劇プログラム」試演会を那覇市のアトリエ銘苅ベースで開催した。
前日の30日に実施した公開ゲネプロも合わせて、会場では2日間で親子・一般モニター計118人が観劇し、“出来たてホヤホヤ”の演目を楽しんだ。今後は幼稚園から小学校まで、子どもたちがいるさまざまな場所からの依頼を受けて、出張上演を展開していく予定だ。
子どもたちに向けた4作品をお披露目
試演会は「沖縄の子ども達に演劇体験を届けようProject」の一環で、県内の演劇関係者が連携し、子どもたちの表現力や創造力、思考力やコミュニケーション力も含めた「生きる力」を育むため、表現することの楽しさを伝えることが目的。今回上演されたのは県内の4つの劇団がそれぞれオリジナルで制作した4作品。各作品が対象年齢や人数などのニーズに合わせて演目を選ぶこともできるようにバリエーションがつけられている。
演目は、体育館や地域の公共施設程度のスペースがあれば専門機材がなくても出張上演できる「フットワークの軽い作品」。さらに、県内を拠点に活動する俳優たちが演出・出演する「沖縄産プログラム」なので、県内ならば年間通してどこでも上演が可能だ。
子育て奮闘中のお父さん俳優2人によるユニット「SUSUS」が披露した演目は、観客の子どもたちも参加することができる体験型の『OH!GYAA!!』。とある家の兄弟が主人公で、生まれたばかりの弟が寝返りして、ハイハイして、立ち上がって、歩いて遊び始めるという時間の流れを、子どもたちも一緒に身体を動かしながら共有する。なかなか俳優の言うことを聞いてくれない子どもたちの意味不明な言動に、会場の保護者からは度々笑いが起きて和やかななムードの上演となった。
読谷村を拠点に活動する若手劇集団「演撃戦隊ジャスプレッソ」は、沖縄の民話をアレンジした演目『カラスと弁当』を披露した。自分の実の子どもである次男を溺愛する性格の悪い継母が、長男を毒入り弁当で殺してしまおうと画策するというダークなストーリー。毒入り弁当を奪おうとするカラスと母親を信じようとする長男のやりとりは、笑いがありつつも、生きていく上で誠実であることを巡る話にもなっており、客席の子どもたちも真剣な眼差しでステージを見つめていた。