やんばるアートフェスティバル2020-2021 体験レポート

 
Daichi Koyama:D「源」

 沖縄県北部にあるやんばる地域にて一年に一度、一定期間開催される「やんばるアートフェスティバル」。本イベントは毎年「大宜味村立旧塩屋小学校(大宜味ユーティリティーセンター)」(以下:旧塩屋小学校)をメイン会場とし、やんばる地域内のホテルや観光地にアート作品を散りばめ、地域全体をつかってアートを展開する。

 作品は絵画や習字、インスタレーション、音や絵など異なる素材を組み合わせたコラージュなど、バリエーション豊かなアートが無料で観賞できるとあって、毎年全国から人が集まる人気のアートイベントだ。かくいう筆者も、毎年このイベントを心待ちにしているひとり。今年は新型コロナウイルスの影響で中止になるのではないかと心配だったが、一部ワークショップやイベントを除いて実施することとなり、安堵した。

 今回、実際にメイン会場となる旧塩屋小学校にお邪魔したので、体験レポートも加えつつ、その魅力をお伝えしたい。

今年のテーマは「古きを訪ね、新しきを知る」

 入り口からお祭りムードが漂う「旧塩屋小学校」。校舎内の各教室と体育館を展示空間として、校舎内を巡りながら様々なアート鑑賞を楽しむことができる。

 本イベントはこれまで、国立公園にも指定されたやんばるという地の恵みを活かしつつ「今、ここでしか成し得ないアートを創造する」という姿勢を一貫して守ってきた。それを踏まえ、第一回目である2017年はやんばるにアートを運ぶ「ヤンバルハコブネ」、2018年は芸術革命を呼びかける「ヤンバルネサンス」、2019年はやんばるの豊かさを讃え、アートによる鎮守の杜「山原黄金之杜」と、毎年テーマを変えながら実施されてきた。

そして4年目となる今回は、人類にとっても大きな転換期であることから「古きを訪ね、新しきを知る」ことをテーマに実施された。

 まず受付会場でもある体育館に入ると、数点の作品鑑賞のほか、やんばるで作られた軽食やアート作品の購入が楽しめる。また、ここで館内マップも配布されているため、最初に体育館に足を運ぶことをおすすめしたい。

 体育館の一番の見所は、入って左側にあるガラス張りの空間。ガラス越しに見える青々とした海とやんばるの緑が、体育館の懐かしいぬくもりと合わさり、つい見惚れてしまう。

 「小学校の机と椅子はこんなに小さかったのか」と感慨深い気持ちを懐きつつ、座ってのんびりと景色を眺めたり飲食を楽しむこともできるので、大人ほど楽しめるのではないだろうか。

旧校舎が持つ味のある風情と、光と影が作品を照らす

寺本愛「coastline」

 県内外の著名なアーティストの作品が並ぶことはもちろん、イベント会場として「旧校舎」が使われていることにも注目したい。

 各部屋に飾られた作品を見ていると、窓から差し込む太陽の光と影、校舎ならではの湿った匂い、経年劣化した色合いなどが作品に溶け込んでいるようだ。その日の天気によって見え方が変わるのも、楽しみ方のひとつかもしれない。

ホテル アンテルーム 那覇 コレクション「ANTEROOM NAHA_Phase in Yambaru」

 この日はとても天気が良かったので、はっきりとした光と影を浴びる作品を見ることができたが、雨の日はどのように見えるだろうか、と気にもなった。

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