コロナ禍で困窮世帯増加か 沖縄県高校生調査

 

 沖縄県は8日、県立高校2年生と保護者を対象に世帯収入や進学希望などについて、アンケート調査した結果を発表した。3年前に比べて、困窮世帯が増加しており、コロナ禍の影響と考えられるという。

 同日、会見した玉城知事は「子どもたちの生活環境は、依然として厳しい」と述べ、ライフステージに応じた支援策を講じていきたいとの考えを示した。

 この調査では、4人世帯として計算すると年収254万円未満の世帯を困窮層と定義。今回、同世帯の割合は26.3%で、2016年度の29.3%は超えなかったが、県経済が好調だった2019年度に比べ5.9ポイント上昇した。

 玉城知事は「困窮世帯の6割近くが、新型コロナ拡大前と比べて収入が減少したと回答している。低所得層や雇用形態が不安定な層ほど、コロナ禍における影響が強く出ていると思われる」と語った。

 経済的に苦しい世帯の割合が増えた一方で、高校卒業後の進学を希望する生徒の割合は、19年度に比べ5.5ポイント増えて、約77%となった。

 県は、子どもの未来県民会議による給付型奨学金や、高等教育の就学支援、学習支援などの取り組みが進学希望につながったと分析している。

 ヤングケアラー関係では、「父母・祖父母など家族の介護・看病」を行っていると答えた生徒の割合は、全体の4.1%。県は、「ヤングケアラーと子どもの貧困が重なる部分が見えてきている」と指摘した。

 今後について、玉城知事は「民間企業の参画も含めて支援に厚みをつけていきたい。また、ライフステージに応じた支援策も講じていきたい」と強調した。

(記事・写真 宮古毎日新聞)

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