ベビーシッター文化を沖縄に “一人園長”認可外保育施設の挑戦

 
(イメージ写真)

保育士の新たなキャリアとしても

 新垣さんはもともと子どもが好きで、保育士の経験があった。その後不動産業に転職したが、離婚を機にベビーシッターとして保護者支援の分野に戻ってきた。

 保育士時代に保護者からの「自分の時間が作れない」という声を多く聞いていたことや、幼稚園教員免許や保育士資格を持っており、自らの理想とする保育の形を自らの意思で実現したかったことから、ベビーシッターとして独立開業することを決めた。不動産自体の営業スキルは事業の周知にも大いに役立った。

 新垣さんは「沖縄でもベビーシッターになる人や利用者は伸びてくると思います」と話す。ショウゴベビーシッターへ依頼する人が右肩上がりで毎日のように予約が埋まっていることもそうだが「新しい働き方を模索している保育士」からベビーシッターへの転身の相談を受けることも増えているという。

「父親として恥じない生き方を」

 新垣さんの3人の子どもたちは、今は元妻のもとで生活しており、現状では会うことは難しい。だからこそ、子どもに会えない分ベビーシッターで預かる子どもたちとは全力で遊ぶ。
 いつか自分の子どもたちが大きくなって、自らの意思で「パパに会いたい」と言ってくれる日を待つ間、父親として恥じない生き方をしようと心に決めた。これまでたくさんの涙を流した先に出てきた言葉は「パパ頑張るよ」だった。今後は事業規模も拡大し、さらなる保護者支援につなげていく構えだ。


 かつての自分のような「もしベビーシッターを使っていたら」と思う人のためにも、沖縄にベビーシッター文化を根付かせたい新垣さん。まずは気軽に利用してほしいとの思いで、2時間500円でのサービス実現を目指してクラウドファンディングに挑戦している。2月9日時点で約120万円の支援を受けている。期間は2月13日まで。詳細は以下。
https://camp-fire.jp/projects/view/505228

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長濱 良起

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フリーランス記者。
元琉球新報記者。教育行政、市町村行政、基地問題の現場などを取材する。
琉球大学マスコミ学コース卒業後、県内各企業のスポンサードで世界30カ国を約2年かけて巡る。
2018年、北京・中央民族大学に語学留学。
1986年、沖縄県浦添市出身。著書に「沖縄人世界一周!絆をつなぐ旅!」(編集工房東洋企画)

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