不登校の子を持つ親の当事者団体、糸満で発足 みんなで少し楽に

 

 不登校や子育ての不安や悩みを話す居場所づくりや講演会を行う、不登校の子を持つ親の当事者団体「ママがいっぱい笑った倶楽部」が今年5月、糸満市内で発足した。当事者団体ということもあり、代表の山城健さん、副代表の牧野綾乃さんの2人もお子さんが不登校になった経験を持つ。「子育ての悩みは赤ちゃんの時も高校生の時も尽きませんよね」と2人は声を揃える。現在0歳児を育てる筆者の今の悩みは「子どもの好き嫌い」。子育ての悩みを共有して支え合うことで、親だけではなく子どもたちの幸せにもつなげる。 

繊細な問題ゆえに一人で悩みを抱える親

 80代の親が50代のひきこもる子どもの面倒をみている「8050問題」が実際に社会問題として取りざたされている。この問題に対し、不登校の子を持つ親たちは「もしかしたらこのまま自分たちの子どもも長い間引きこもりになってしまうかもしれない」という不安感を持っている。しかし繊細な問題で表面化しないことから、親同士での交流が難しく一人で悩みを抱えるケースが多い。

 「ママがいっぱい笑った倶楽部」は、糸満市では初めてとなる不登校児を持つ親の当事者団体。親同士の交流や相談、情報を集められるコミュニティーつくりを行っている。

まさか、うちの子が

 「どちらかと言うと活発な方で、不登校になったときは『まさか』という感じだった」

 山城さんのお子さんは小学校から中学校まで5年間、不登校になった。始めは学校に行かせようとしていたが、山城さん自身うつ病になってしまったことや、中学進学後一度は行けた学校に2学期から行けなくなったことを機に、無理に学校に行かせず「この子を見守ろう」と気持ちが変わった。

お父さんとお母さんでズレ

 山城さんは情報を集めるため、那覇市に拠点がある「不登校親の会」に通った。今から3年前のことだ。

 そこで感じたことは、お父さんとお母さんとの気持ちのずれだった。お父さんは子どもが学校に行っていない事実に対し「お母さんが行かさないから」と思ってしまうが、お母さんは子どもからのSOSに気づいており子どもの苦しさを感じているため、無理に行かせようとはしていないケースが多かった。実際に山城さんの奥さんも我が子を無理に学校へ行かそうとしてなかったという。

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