不登校の子を持つ親の当事者団体、糸満で発足 みんなで少し楽に

 

 直接的でないとはいえ「お父さんからの『お母さんが行かさないから』という気持ち」と「学校に行くのが当たり前という世間体」「子どもからのSOS」に挟まれ、多くのお母さんはかなりのプレッシャーとストレスを感じていることに気づいた山城さん。

「お母さんが笑顔で家庭が明るくなることが、子どももお父さんも安心した居場所になる」

 まずは同じ境遇のお母さんたちが集まり、思いを吐き出すことで少し楽になる。当時不登校に関する当事者団体が糸満市内に無いことを知り、同じ悩みを持つ当事者同氏がアウトプット出来る場を糸満市内にも作りたいと考えた。

WEBでの交流会

 2018年頃から少しずつ動き始めるも、糸満市内で不登校の子を持つ親に出会うことがなかなか出来ず、繊細な問題だけに活動を理解してくれる人も少なかった。2020年からは新型コロナウイルス感染症の影響もあり、人を集めることができなくなったため、山城さん個人のSNS等を使い、誰もが参加できる形でWEB交流会を開催した。
 参加者からは「いろんな人から違う情報をたくさん聞けて安心した」「一番欲しかった情報を聴けた」との言葉をもらった。またWEB開催をしたことで、子どもがいて交流会になかなか参加できなかった人や、元気がなく家を出ることさえままならない人も参加しやすいメリットがあり、今まで出会えなかった市内の当事者に会うことができた。

個人から仲間へ

 牧野さんは約3年前転勤で沖縄県糸満市に引っ越してきた。その後旦那さんは単身赴任となり、1人で2人のお子さんを育てていた。しかし転校をきっかけに2人とも不登校になってしまい、「私がどうにかしなきゃ」という思いで情報を集める中、山城さんの主催するWEB交流会をみつけた。参加する中で自分以上に大変な人がいることに気づき、どうにか助けたいという気持ちが沸いた牧野さんは、その後山城さんと話をした際「私も一緒に活動したい」と伝え、その後「ママがいっぱい笑った倶楽部」が誕生した。

 二人は時折、今年2月に陸上自衛隊宮古島駐屯地の宿舎で起きた、男児2人を母親が殺害した事件の話をしていた。育児に行き詰まり子どもに手をかけてしまったお母さんが、山城さんや牧野さんのように同じ悩みを抱えた人と出会い、話をする場があれば、もしかしたら子どもたちもお母さんも救えたかもしれない。今後「ママがいっぱい笑った倶楽部」の活動が、この悲しい事件を当事者によって防げることを願っている。

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