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脳卒中当事者で支え合う会、沖縄初開催 主催する理学療法士の想い
- 2021/8/8
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「脳卒中の患者同士が不安や悩みを語り合える場をつくりたい」ー。そう話すのは、理学療法士13年目の島袋みちるさん(34)=沖縄リハビリテーションセンター病院勤務=。自身の患者が自死を考えるまでに精神的に追い詰められた経験から、ブログやSNSを活用しながら情報発信し、オンラインでピアカウンセラーを交えた脳卒中当事者会を開いている。
自身の経験から精神的ケアの支援を模索
島袋さんは名古屋大学を卒業後、名古屋大学大学院医学系研究科でリハビリテーション療法学を専攻、理学療法学分野修士号を取得した。
島袋さんが理学療法士として8年目の時、脳出血を発症した患者が「元の状態に完全に戻れていない」ことからうつ状態に陥った。自殺行為の寸前で何とか家族の対応が間に合って一命を取り留めたが、自死を考えるまで精神的に追い詰められた患者を目の前にした島袋さんに、精神的な面で支えることができなかった悔しさが込み上げた。
同時に「患者には身体的なケアだけではなく、精神的な支援が必要」と考えるようになった。
全国当事者会の学びを沖縄で
脳卒中は血管が詰まる脳梗塞や血管が破れる脳出血などがある。患者は、脳卒中を患ったことで日常生活に影響が出た喪失感と後遺症の苦しみを相談できずに孤独感を抱えていることが多いという。
島袋さんは自身の経験から「当事者へのより良い支援方法を知りたい」と全国16カ所で開催されている脳卒中当事者会に参加。「医療従事者自身が当事者の精神的ケアをする以上に、当事者同士で励まし合うことは当事者にとって大きな支えになる」と、理学療法士として働く傍ら、沖縄でも当事者会を主催した。全国の当事者会からノウハウを学び、医療従事者などから有志を募った。