「家族のために」観光業界からフリーランスへ WEBデザイナーの大城さん

 

 今では半数以上の家庭が共働き世帯だ。それでもほとんどの家庭では女性が家事や育児の多くを担っている。女性のライフステージにおいて、仕事ありの結婚女性のうち、第1子出産時の女性約3割が離職しているという。仕事と育児の狭間で、仕事と子育てにどう向き合っていくべきか、多くの女性が悩んでいる中、妊娠や出産を機に会社員からフリーランス、起業への道を選んだ女性や育児をしながら新たな挑戦をした女性にスポットを当て、連載で紹介していく。


 今回は、今年4月に観光業界からWEB制作のフリーランスとして独立した大城彩花(おおしろさいか)さんを紹介する。1児の母で、「喘息持ちの長男の体調不良に柔軟に対応したい。今後の人生設計のためにも自分で仕事をしていく形を目指したかった」と踏み出した。仕事と育児の傍ら、プログラミング教室でスキルを磨き、自身の会社を設立。ホームページやデザイン制作のほか、結婚式のウェルカムボードなどの制作を手がけている。

喘息持ちの長男と「一緒の時間を大切にしたい」

 沖縄県西原町出身の彩花さんは、沖縄キリスト教学院大学で英語コミュニケーション学を専攻しながら、アメリカオレゴン州のポートランドコニュニティーカレッジに交換留学をして語学を習得した。その後、沖縄銀行証券国際部、米軍基地内不動産事務所、Amazonバイリンガルカスタマーサポートの職を経て、沖縄観光コンベンションビューローに就職した。海外プロモーション課で海外の多言語Webサイト運営を担当し、海外からの誘客事業やPR活動などの事業に携わっていた。

 フリーランスを目指したのは、2017年に第1子長男出産後の仕事復帰をした頃だった。1歳になる息子を保育園へ預けて仕事をしていたが、喘息持ちで他の子よりも風邪がひどくなることが多く、肺炎で入院するなど月の半分を休むほどだった。

 「会社勤めで決まった時間に決まった場所へ行って働くということがあまり現実的でないと思い始めたことがキッカケです。子どもの体調不良などに柔軟に対応したい。子どもとの時間をもっと持って大切な一瞬を見逃したくないという思いもありました」

次ページ:

1

2 3

関連記事

おすすめ記事

  1.  サッカーJ3のFC琉球が、第2次金鍾成(キン・ジョンソン)監督体制下の初陣を白星で飾った…
  2. 今季から琉球ゴールデンキングスに加入したアレックス・カーク(左から2人目)やヴィック・ローら=16…
  3.  FC琉球の監督が、また代わった。  サッカーJ3で20チーム中18位に沈む琉球は1…
  4. 戦前に首里城正殿前に設置されていたバスケットボールゴールを再現した首里高校の生徒ら=8月27日、那…
  5.  8月12日、浦添市のアイム・ユニバースてだこホール市民交流室は熱気が渦巻いていた。ステー…
宮古毎日新聞

特集記事

  1. 再びFC琉球の指揮を執ることになり、トレーニング中に選手たちに指示を送る金鍾成監督=19日、東風平…
  2. ヴィック・ロー(中央)の入団会見で記念撮影に応じる琉球ゴールデンキングスの(左から)安永淳一GM、…
  3. 沖縄県庁  沖縄県は、地域の緊張を和らげようと、4月から「地域外交室」を設置し、照屋義実副知…
ページ上部へ戻る ページ下部へ移動 ホームへ戻る 前の記事へ 次の記事へ