静かに動き出す「教育未来創造会議」 沖縄から注目すべき理由

 
内閣官房・内閣府

 岸田政権になって昨年12月に誕生した新たな会議体「教育未来創造会議」。これは、安倍政権時代に発足した「教育再生実行会議」を前身とするもので、首相直轄の教育政策に関する重要な政府意思決定機関です。昨年12月に動き出したばかりであまり馴染みがないようにも思えますが、安倍・菅政権との違いを打ち出したい岸田総理の思惑に支えられるこの新しい会議体の存在意義や、出世払い型への奨学金制度改革、大学改革による社会人の学びの強力な促進といったメインテーマを見ると、沖縄の教育や生活にも深く結びつく注目すべき動きであることがわかります。今静かに動き出した「教育未来創造会議」は、沖縄にとってどのような意義を持つのでしょうか。

中央教育審議会とは違う、首相直轄会議

 首相を議長とする教育未来創造会議は、いわゆる首相直轄の有識者会議で、文部科学大臣の諮問機関である中央教育審議会とは性格が異なります。簡単に表現すれば、総理の号令の下、大方針を教育未来創造会議で議論し、その決定を受けて、今度は綿密に中央教育審議会で論点を整理していくというような流れが想定されます。この会議体を軸に、教育分野でもリーダーシップを発揮したい岸田総理の考えが読み取れます。

霞が関省庁のビル群

 メンバーは岸田総理を議長として、関係大臣や教育界、経済界からの有識者計25人からなります。

 前身である教育再生実行会議と同じような官邸主導での政策決定を狙いとしていて、構成メンバーや名前が変わっただけとも言えますが、わざわざ看板を掲げなおし、これまでの安倍・菅政権とは違う、岸田総理の独自カラーを打ち出したいという意志が見えるとも言えます。課題山積の教育行政にあって、政治的な力学がここで働くのであれば、それは喜ばしいことでしょう。

会議とリンクする沖縄の現状

 「人への投資は成長の源泉」として、国を挙げて人材育成を強化していくための政策がメインテーマとなっていますが、これがどのように沖縄と関連付けられるのでしょうか。

 沖縄の重要課題と言えば、第一に子供の貧困問題が挙げられます。「沖縄県子どもの貧困対策計画」(2016~2021年)を柱に、30億円の基金創設や官民が協働した「沖縄子どもの未来県民会議」による県を挙げての取組などが進められてきました。更には国による手厚い支援も加わり、子供のいる困窮世帯の割合が低下するなど一定の成果が出ているものの、未だ全国との差は大きく、十分な改善には至っていないのが現状です。

 そして、これに並ぶ重要課題として挙げられるのが沖縄の産業振興です。中でもITや環境といった沖縄の特性が生かせる成長分野での発展が期待されています。「沖縄21世紀ビジョン」でも成長産業の振興が据えられていて、その発展を担う人材の育成は振興策の土台となる重要なテーマなのです。

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