名桜大が北部テーマパークと高度観光人材育成!準備会社と協定

 

 公立大学法人名桜大学(名護市、砂川昌範学長)と、沖縄本島北部の新テーマパーク事業を進める株式会社ジャパンエンターテイメント(同、加藤健史社長)は20日、同大学で産学連携包括協定を締結した。双方が持つ教育・実践・調査研究の場で、人的・物的の両面で連携することにより、高度な観光人材の育成を目指す。加藤社長は「エンターテインメントの他にも、飲食や物販など、さまざまな事業が集まっているテーマパークは、人を育成する上で素晴らしい環境です」と話し、学問と実践の場をつないで、沖縄はもとより国内の観光業をリードする人材輩出に取り組む。

観光人材育成に力を入れる名桜大

(左から)株式会社ジャパンエンターテイメントの佐藤大介取締役、加藤健史代表取締役、名桜大学の砂川昌範学長、林優子副学長=20日、名護市の名桜大学

 ジャパンエンターテイメントがプロジェクトを推進している北部の新テーマパークは名護市と今帰仁村にまたがるオリオン嵐山ゴルフ倶楽部跡地に建設予定で、事業面積は約60ヘクタール。2025年の開業を予定しており、ことし2月7日には起工式が行われたばかりだ。

 名桜大学は学部再編により、来年度から「観光学部国際観光産業学科」を新設する。従来の国際学群観光産業専攻と同経営専攻を発展的に統合したもので、「世界で活躍できる高度観光人材を育成していく」という目標を掲げている。ジャパンエンターテイメントとの包括協定が浮上する以前から、名桜大学では観光産業や地域振興における社会的ニーズを鑑みて、今回の学科新設を進めていた。国際観光産業学科のみならず、その他の学科との連携も含めて、両者は今後の可能性を協議していく。

教育の場、実践の場、調査・研究の場

 今回の包括協定では、

①地域社会や観光産業の振興に資する知識を習得する“教育の場”に関すること
②現場を通じて学びを経験に変える“実践の場”に関すること
③地域経済に還元しうる付加価値創造の先進事例や構造の探求する“調査・研究の場”に関すること
④その他、本協定の主旨・目的達成のために必要と認める事項

の4項目が締結された。

 テーマパークを“実践の場”として活用するための具体的なプログラムは今後固めていくというが、ジャパンエンターテイメントの加藤社長は「具体的に実践し、体験し、学びに変えて頂ける機会を提供していきたいです」と話す。インターンシップなどの受け入れも想定しているという。

 名桜大学の砂川学長は「特徴ある教育プログラムを北部地域で、実践の場として展開できます。観光を専門的に学びたい若者が名桜大学を選んでくれるような動きにつながっていけば」と期待を寄せる。さらに、大学と企業が学生の学びを創出していくことについて「日本国内の中でも本学の果たすロールモデルとしての役割は大きいと感じています」と話すなど、観光人材育成での先進事例を作り出していく構えだ。

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長濱 良起

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フリーランス記者。
元琉球新報記者。教育行政、市町村行政、基地問題の現場などを取材する。
琉球大学マスコミ学コース卒業後、県内各企業のスポンサードで世界30カ国を約2年かけて巡る。
2018年、北京・中央民族大学に語学留学。
1986年、沖縄県浦添市出身。著書に「沖縄人世界一周!絆をつなぐ旅!」(編集工房東洋企画)

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