名護市長選公開討論会 経済や基地問題などで論戦 JC主催

 

―基地問題について

岸本氏「地元で強行されている新基地建設問題から目を背けるわけにはいきません。現職の渡具知市長はこの問題についての態度表明を避けています。問題の先延ばしではないか。先の県民投票で、名護市では73%以上が反対の民意が示されました。この問題に目を背けて良い訳がありません。辺野古の軟弱地盤で完成の見通しが立たない中、県の試算では約2.5兆円が費やされます。こんな多額の税金を投入することは許されません」

渡具知氏「普天間飛行場の辺野古移設について、現在も続く国と県の係争が決着するまではこれを見守る他ない、という立場に変わりはありません。是非について言及する立場にありません。これまで、市民の複雑な感情や立場などを見てきました。名護市民は常に対立を強いられ、家族の中でも対立を強いる市政運営が行われてきました。私は市民に対立ではなく融和と発展をもたらしたいと考えています」

子育て支援財源などで舌戦

 公開討論会の後半では、岸本氏、渡具知氏が交互に質問をし合うクロス討論が行われた。

Q.岸本氏
「1月14日の名護市臨時議会で、渡具知市長はコロナ対策についての国と米軍の対応について『評価している』と発言しました。その真意は」

A.渡具知氏
「米軍基地内の新型コロナ感染者の発生を受けて、昨年12月27日に、外務省に対して米軍でのコロナ対策や行動制限を申し入れました。年明けから市内でも感染者が増加したことから、1月4日に再度外務省に申し入れ、翌5日には外務省と防衛局に米軍の外出制限について文書で要請しました。これらの要請に対して政府が米国に働きかけ、強い措置を講じるに至ったことについて、一定の評価をしています」

Q.渡具知氏
「子育て支援無償化について継続すると言っていますが、7.1億円の財源が明確ではありません。岸本氏は現在も名護市の監査員であり、市の予算についても『無駄は無い』とのお墨付きを与えています。詳細な財源を示してください」

A.岸本氏
「こども医療費や学校給食費、保育料の無償化は必ず実現できます。一般会計予算の約1.5%があればできます。稲嶺進前市長の時代に2.7億円の財源を充てて無償化を前進させたという実績があります。ふるさと納税の増収、再生可能エネルギーでの光熱費削減に加えて、広大な市有地の活用で新たな税収を確保できます。小学校の跡地利用も官民連携でしっかりと新たな収入を得て、子育て支援の無償化を必ず実現します」

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長濱 良起

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フリーランス記者。
元琉球新報記者。教育行政、市町村行政、基地問題の現場などを取材する。
琉球大学マスコミ学コース卒業後、県内各企業のスポンサードで世界30カ国を約2年かけて巡る。
2018年、北京・中央民族大学に語学留学。
1986年、沖縄県浦添市出身。著書に「沖縄人世界一周!絆をつなぐ旅!」(編集工房東洋企画)

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