脳科学でJ1へ!FC琉球とOISTが試合時のあうんの呼吸解明へ

 

 沖縄科学技術大学院大学(OIST)を運営する「学校法人沖縄科学技術大学院大学学園」とサッカーJ2のFC琉球を運営する「琉球フットボールクラブ株式会社」は12月10日、脳科学のアプロ―チから、各プレーにおける選手同士の動きの一致や“あうんの呼吸”など「同期性」を解明する研究プロジェクトを立ち上げることを発表した。同日に行われた記者会見で両者が覚書を締結した。選手の脳波などから同期性を測り、チームワークを可視化することで、セットプレーでの連携や試合中のコミュニケーションなどに生かすことが期待されている。会見で琉球フットボールクラブの小川淳史社長は「世界的にも類を見ない研究に、沖縄でチャレンジできることをうれしく思います」と述べた。

解明できていなかった「あうんの故郷」の仕組み

 OISTは 、質の高い論文数で研究機関をランキング付けするNature Index において、2019年に世界9位と評価されている。今回のプロジェクトは、トム・フロース准教授が率いる身体性認知科学ユニットが参画する。覚書締結は来年12月9日までの1年間(更新可)となる。来シーズンからデータ収集を始め、3年間ほどのスケジュールを見込む。

 このような同期性の研究はJリーグでは初めてのことだという。小川社長は「サッカーでは連携が非常に重要です。パスを出す側、受ける側、さらにはそれ以外の3人目4人目の選手も一緒に連動して相手の裏を突くプレーが求められています」と話し、特に現代サッカーでは連携が鍵を握ることを述べた。その一方でこのような“あうんの呼吸”が育まれていくのは、経験によるものなのか感覚によるものなのかも含めて、これまで解明できていない現状があったという。「将来的には同期性を本格的に意識した練習メニューの開発や、コーナーキックなどセットプレーの向上に効果を生み出すことが期待できます」と、科学とスポーツを融合させてより高みを目指す。

「チームがいつチームになるのか」

 フロース准教授は「波長が合うという表現は単に比喩表現ではなく、複数の人たちが同じことをする時には脳の活動も同じになってくるということが分かっています」と先行研究を紹介しながら「チームが選手一人ひとりの力を出し切った総和以上に力を出せるのはどんな時なのか、という問いに数学的手法を用いながら答えていきたいです。チームというものがいつ(本当の意味で)チームになるのかが非常に興味深いです」と研究の意義を話した。

 さらにはこの研究がFC琉球だけでなく研究ユニットについても有益だとし「お互いにメリットの高いコラボレーションになるでしょう」と期待を込めた。

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長濱 良起

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フリーランス記者。
元琉球新報記者。教育行政、市町村行政、基地問題の現場などを取材する。
琉球大学マスコミ学コース卒業後、県内各企業のスポンサードで世界30カ国を約2年かけて巡る。
2018年、北京・中央民族大学に語学留学。
1986年、沖縄県浦添市出身。著書に「沖縄人世界一周!絆をつなぐ旅!」(編集工房東洋企画)

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