「父に見せられて良かった」J初ゴールの岡澤昂星&Jデビューの幸喜祐心 一問一答・FC琉球

 
試合後、スタンドのサポーターと共に勝利を喜ぶ岡澤昂星(左)と幸喜祐心=11日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアム(長嶺真輝撮影)

 サッカーJ3のFC琉球が11日、ホームで2位の鹿児島ユナイテッドFCに2ー0で快勝した。苦しいシーズンとなっている今季の中でも最大級の金星を挙げたと同時に、2人の若手選手にとってはメモリアルな試合となった。

 まずはMF岡澤昂星(20)。後半15分にヘディングで決めた先制点が自身にとってJリーグ初ゴールになった。高校時代の2020年からJリーグでプレーし、セレッソ大阪に所属していた昨年はルヴァンカップでプロ初ゴール。着実にキャリアを積み上げていっている。

 現在は2種登録選手としてトップチームに在籍し、2024年シーズンから正式に昇格することが決定しているFC琉球U-18所属のMF幸喜祐心(18)は、後半39分にMF中野克哉との交代でピッチにイン。ボールに触れる機会はなかったが、Jリーグデビューという大きな一歩を踏み出した。

 試合後、メディアの取材に応じた2人の一問一答を紹介する。

「高安君との関係値が出た」岡澤

ピッチを駆け上がる岡澤

ーゴールシーンを振り返って。

 「左サイドで高安(孝幸)君がボールを持った時は大体仕掛けるのは分かっていて、練習中からもカットインでインサイドのクロスを上げていました。高安君が切り返した時に僕の前のディフェンダーが僕のことを見えてなかったので、そこに勢い良く入っていってうまく合わせられたのがいいコースに飛びました。高安君との普段からの関係値が出たのかなと思います」

ーゴール後にサポーターの方に向けて吠えていた。その時の心境は。

 「あれは無意識でしたね。お父さんもあっち側に座っていたので、『やったぞ』という思いと、サポーターに『もっと声援をくれ』という気持ちを伝えたかったのもあります。これまで先制しても追い付かれたりするゲームも多かったので、スタジアム全体でいい空気を作りたかった」

ーカターレ富山戦の負けから1週間でどのようにチームが変わったか。

 「強度を見直すということで、今週は強度が高い練習がずっと続きました。自分たちが足りない守備の強度であったり、攻撃で枚数を掛けるというところを再認識できたトレーニングでした。今日の試合は全員が守備でも攻撃でもハードワークして、チームのために走るという犠牲心を持てたことがすごい良かったと思います」

ー今日はお父さんも観戦した。

 「昨日から沖縄に入って、観戦してくれました。前回家族が来た時は出場機会がなくて、すごく悔しく、とても申し訳ない気持ちもありました。J初ゴールをお父さんに見てもらえて本当に良かったです」

ーJ初ゴールの時期について、自身の受け止めは。

 「正直遅すぎたかなと思います。Jリーグは高校2年生の初めの時期から出させてもらってたし、その年に30試合ぐらい出ました。琉球に来てからも大体全試合出てるので、チームに貢献するのが遅れたという感覚です」

ー初得点がヘディングシュートだった。

 「僕自身、プロ1年目だった去年のルヴァンカップでのプロ初ゴールもヘディングで決めました。身長の割にはヘディングは得意で、自信がないわけじゃないので驚きはあまりないです。練習でも今日の形でバーに当てたりもしてたので、得意の形と言っていいかは分からないけど、うまく入ってくれました。一番危険なところに入っていくのがサッカーの醍醐味ですし、それが相手の脅威になると思うので、そこは意識していました」

ーチーム全体としてボランチやディフェンダーのゴールが増えている。要因は。

 「これといって改善した部分はないですけど、鍾成監督に代わってより攻撃的になり、みんながゴールを意識することを求められるので、それがどの選手も点を決められている要因だと思います」

ー今シーズンは残り3試合、どんなサッカーをしていきたいか。

 「応援してくださってる人たちに勇気や感動を与えられるようなサッカーをしたいです。僕たち自身も勝利にこだわり、残り3試合全部勝って、1個でも上の順位にいけるように頑張りたいです」

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