東北楽天やFC琉球らの課題を新ビジネスで解決 4アイデア採択

 

アスティーダと健康になってポイントゲット

 琉球アスティーダが提示したテーマは「スポーツ×エンターテイメントによる次世代ビジネスの創造」。株式会社タニタヘルスリンクの「アスティーダが沖縄の健康をかえる!日本初の【トークン】を絡めた健康プログラム!」が採択された。

 沖縄県民の肥満率が全国トップであることに着目し、健康活動がポイント化され「やっていて楽しい健康プログラム」を提供するサービス。スポーツチームと一緒に取り組むことで、健康無関心層の健康意識を向上させる狙いもある。

 11月に琉球アスティーダ社外取締役に就任した福原愛さんも招いたウォーキングイベントや、選手とのオンライン筋トレなどのコンテンツを通して楽しく健康活動に取り組んでもらう。さらにそれらの健康づくりの成果を、同社が提供する体重管理アプリや歩数アプリなどと連動してポイント化することで、クラブトークンや飲食チケットなどと交換できる仕組みだ。

 クラブトークンとは、クラブが発行しサポーターが購入・保有することで、チームを支援したりさまざまな特典を受けられたりするもの。売買も可能で、チームの人気などで相場が上下する。

野球×ダンス×プログラミング

 楽天イーグルスが募集したテーマは「プロスポーツキャンプを軸とした経済活性化・新たなビジネス創出」。株式会社琉球DigiCo(那覇市)の「ならいゴト×コミュニティ~いろんな学びのできるプラットフォーム~」が採択された。

 小学校低学年をターゲットに、野球、ダンス、プログラミングをチケット制で好きな時に学ぶことができるというもの。例えば3回分のチケットを購入すると「野球、ダンス、プログラミングを週に1コマずつの計3コマ」「土曜日に一気に集中して野球のみ3コマ」などといった、各家庭のニーズに応じて習うことのできる新システムだ。

 キャンプ期間以外にもキャンプ地での地域貢献を果たしたい楽天イーグルスは、野球アカデミーやチアダンスチームによるダンス教室を開催する一方、沖縄のIT人材を育てたい琉球DigiCoはプログラミング教室で学びの提供を行う。

 学びの成果をキャンプ期間中に実施することで、子どもたちの成果発表の場も提供する。同社はこのモデルを、楽天イーグルスのキャンプ地である金武町から、沖縄県全域、さらには球団本拠地の仙台市や楽天グループが球団を持つ台湾にも広げていきたい構えだ。

「スポーツとあらゆる産業の共創」

プレスリリースより

 同事業はスポーツ庁の「令和3年度スポーツ産業の成長促進事業『スポーツオープンイノベーション推進事業(地域版SOIPの先進事例形成)』」を株式会社eiicon compony(東京都)が受託しているもので、「スポーツとあらゆる産業の共創」を掲げている。沖縄地域の運営パートナーは株式会社レジスタ(豊見城市)、スポーツデータバンク沖縄株式会社(糸満市)の2社。同様のプログラムはいずれも11月に北海道、関西、中国の各地域でも行われていた。

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長濱 良起

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フリーランス記者。
元琉球新報記者。教育行政、市町村行政、基地問題の現場などを取材する。
琉球大学マスコミ学コース卒業後、県内各企業のスポンサードで世界30カ国を約2年かけて巡る。
2018年、北京・中央民族大学に語学留学。
1986年、沖縄県浦添市出身。著書に「沖縄人世界一周!絆をつなぐ旅!」(編集工房東洋企画)

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